広告配信ソリューション「DFPスタンダード」覚え書き、とかあれこれ
ちょっとマニアックですが、Google の広告配信ソリューションである「DFPスタンダード」の覚え書きです。
広告クリエイティブをアップロードせず、AdSense しか使わない前提でのザッとした流れと、DFP導入時の注意点やAnalytics連携での注意点など、色々をメモしておきます。
ちなみに DFP を使うと、設定次第では AdSense の高速化もできたり…(ボソッ)
※この記事は好きなように追記・更新させてもらいます。
※2013/9/19 リンク切れ対応。
※2013/4/15 DFPで配信したAdSenseの統計がAnalyticsに連携できない件を追記
前提知識
公式情報は以下にまとまっています。関係ないものもありますが、AdSense と DFP スタンダード関連については前提知識として目を通した方が良いでしょう。
特に、「DFPスタンダード」→「ダウンロード」のPDFファイルは重要と思います。
タグ設置までの流れ
AdSense のみ使う前提だと、大まかな流れはこんな感じ。
- 広告ユニット作成
- プレースメント作成
- タグの生成・設置
それぞれの注意点を書いておきます。
下準備:ネットワーク設定
と、その前に、まず最初に左側にある「ネットワーク設定」をしておきます。
これは各広告ユニット作成時の初期値となるもので、次回以降は設定不要です。
「AdSenseで未販売の広告枠と空き枠の収入を最大化」にチェックを入れれ、デフォルトの広告スタイル(AdSense 管理画面でお馴染みのアレ)を定義しておきましょう。
1.広告ユニット作成
新規広告ユニットの作成は、「在庫」→「新しい広告ユニット」から。
最初に「ウェブ」「モバイル」を選択し、以下の項目を埋めます。
- 名前
→左の「広告ユニットの命名規則」を参考に - 説明
- サイズ
→最初の「ウェブ」「モバイル」の選択で、広告サイズが変わる - プレースメント
→初回はプレースメント未作成なので省略
各項目の詳細は、左側の「ヘルプ」が参考になります。
ここで設定した広告ユニット単位の収益レポートは、「レポート」→「在庫」→「広告ユニット」から確認できます。
2.プレースメント作成
「在庫」→「プレースメント」→「新しいプレースメント」で新規プレースメントを作成します。
ここでも、左側の「ヘルプ」欄が結構参考になります。最低ひとつの広告ユニットがないと、プレースメントを作成する事はできません。
- 名前
→左の「プレースメントの命名規則」を参考に - 説明
- 割り当てられた広告枠
→このプレースメントに割り当てる広告ユニットを指定します。複数指定可能です。 - このプレースメントを次の方法で広告主に提供します
→広告主に提供する情報を入力します。AdSense のターゲティングをコピーすることもできます。AdSense とほぼ同じです。
ここで設定したプレースメント単位の収益レポートは、「レポート」→「在庫」→「広告ユニット」から確認できます。
3.タグの生成・設置
個別の広告ユニット作成・編集ページからもタグの生成はできますが、「在庫」タブの左肩にある「タグの生成」から、複数広告ユニットを含むスクリプトタグを一括作成する事もできます。
DFP では、ヘッダに設置するスクリプトに、googletag.defineSlot を広告の数だけ埋め込む必要がありますが、これがまとめられるのが重要な点です。
なお、タグの生成画面でも、「ウェブ」「モバイル」を別々に指定できます。
生成したタグをサイトに埋め込めんだら設置完了です。
シングルリクエスト アーキテクチャ(SRA)利用時の制約
「タグを作成」時の「シングル リクエストを有効にする」の詳細については、以下が詳しいです。
これによると、現時点では SRA を使うと DFA / DFP ネットワークからのみ広告配信され、DoubleClick タグのリワインド対象外となるようです。
速度面から見ると、SRA の利用は DFP 導入の大きな利点になりますが、収益との兼ね合いもあるため、良く考えて導入する必要がありそうです。
デバッグ方法
広告配信のデバッグを行うには、URLの最後に?google_console=1を追加し、「Ctrl+F10」(Macの場合は、Function + Ctrl + F10)を押します。
こんな感じで画面下にGoogle サイト運営者コンソールが出てきて、問題点があれば指摘してくれます。
デバッグの詳細については以下が詳しいです。
AdSense最大設置数の違反に注意
空き広告枠収益化を考えると、DFPでは多くの広告枠で「AdSense 広告枠の設定」を「開始」に設定したくなりますが、この時、AdSense 最大設置数の規約違反に注意。との指摘があります。
これは例えば、1ページに4つのDFP広告ユニットを設置し、その全部で「AdSense 広告枠の設定」を「開始」に設定していると、状況によっては4枠全部に AdSense が表示され、AdSense の規約違反(テキスト/イメージ広告は1ページ最大3つまで)になる。という事です。
この件については検証したわけではありませんが、気になるので注意点としては触れておきます。
なお、この件については公式情報も公開されています。
- ページごとに表示できる Google AdSense 広告の数 - DFP スタンダード ヘルプ(リンク切れ)
このページの書き方はなかなかアレでナニな部分があって、AdSenseを貼る目的意外にもきちんとDFPを使っていて、各AdSense有効広告ユニットをターゲットにした広告申込情報を配信している場合は…みたいな取り方もできなくはないような気もしますが、試すにはリスクが大きい事なので、個人的には検証はやめておきます。
直接聞ける機会でもまたあればいいんですが…。
非同期GPT使用時はAdSenseの統計がAnalyticsに連携されない
非同期 GPT(Googleサイト運営者タグ)を使っている場合、AdSense の統計情報が Google Analytics に連携されない。という既知の事象があるそうです。
- DFP Small Business Known Issues - DFP Small Business Help
→「Google AdSense statistics not included in Google Analytics」 - Adsense not showing in google analytics - Google グループ
DFP導入以前は、Analytics のカスタムレポートでカスタム変数を絡めたAdSense分析をしていたので、この点については、若干残念です。
なお、同期GPTを使えばこの制約からは解放されるようですが、代わりに速度を諦める必要が出てきそうです。
また、DFP のターゲットを使えば、柔軟性は落ちるものの、DFP上で任意のディメンジョンのレポートを作る事ができそうな気がします。が、こちらもまだ試していません。
余談ですが、現状の Analytics の仕様だと、リンクユニットの収益が省かれていたり、通貨単位がドル建てで、しかも為替レートが日次だったりとかとかで、信頼できるデータは取れないんで、そういう意味では円建てで、まぁ正確な値が取れるなら、DFPのレポートを使うのがいいのかなぁ。という予感はします。
なんでも、GAの通貨単位の件については本国がなかなか対応してくれないらしく…おっと喋りすぎました。
その他の情報へのリンク
- Google サイト運営者タグのサンプル - DFP スタンダード ヘルプ
→「Google サイト運営者の非同期タグのサンプル」
→「各広告のタグの広告ユニットをインラインで定義する」 - ロードブロッキングについて - DoubleClick for Publishers ヘルプ
- GPT でターゲティングとサイズを設定する - DFP スタンダード ヘルプ
- Inside Adsense - 日本語: 誰でも使える DFP スタンダード第 3 回 - 設定ガイド 「プレースメントの設定」
余談
昨年、六本木の Google さんにお邪魔した時も、AdSense を導入されているサイトさんは多いものの、DFP まで使っている方は個人だと少ないのかなぁ。という印象を受けました。
テラダスでは、現状、DFP を AdSense 配信を中心に使っている状況ですが、実際に手を出してみると、広告業界の特有の単語も出てきてなかなか面白い世界が見えてくるモノではあると思います。
そういう大きい視点で見ていると、月間100PV以下の弱小サイト向けの有効なマネタイズ手段は、今後なかなか大変な局面を迎えるのではないかなぁ。と思ったりもします。特に、国内では。