パナソニック、スマートフォンから撤退。下期以降の新規製品開発を休止
パナソニック株式会社は26日、スマートフォン事業からの撤退を正式に発表しました。
2013年度下期以降は国内通信事業者向け(BtoC市場向け)のスマートフォン新製品開発を停止し、今後はサポートのみを行う予定。
同社の撤退は、以前より噂として囁かれていましたが、残念ながら現実のものとなってしまいました。
なお、タフネススマートフォンをはじめとする BtoB 市場向け事業については、パナソニック モバイルコミュニケーションズ株式会社からパナソニック システムネットワークス株式会社へ移管・継続するとの事です。
苦戦が続く国内家電メーカーのスマートフォン
スマートフォンを取り巻く市場環境が急激に変化する昨今、同社に限らず国内メーカー各社は、品質問題や最新 OS へのバージョンアップ対応の遅れ、あるいバージョンアップをしない、などの対応を繰り返し、消費者から厳しい目で評価されるようになりました。
国内メーカー品の中にもよく作られたモデルはもちろんありましたが、ブランド全体への信頼を獲得した例はほんの一握りであり、パナソニックの後を追うメーカーもあるのではないか、との憶測も囁かれます。
また、ドコモのツートップ戦略や iPhone 導入が国内の Android スマートフォン市場に与えるインパクトも、今回の撤退判断の裏にはあるでしょう。
今回の例に限らず、国内スマートフォン事業をめぐっては、OS、クラウドサービス、SoC などの基幹部分に日本メーカーが十分喰い込まないままに周辺機能などで「差別化」した結果、いわゆる「ガラパゴス」状態を作ってしまい、海外で生まれた新機能のキャッチアップに時間がかかったり、製品の安定性を十分に確保できないまま発売してしまうケースも散見され、各社のそもそもの戦略に疑問を投げなくなる事も多々ありました。
目先の小銭稼ぎも大切ですが、世界を巻き込んで、新たな枠組みに貢献する気概がなければ生き残りが難しい現代のIT分野において、改めて、「技術経営視点」の重要性が問われる所だったのだろうと思います。
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