ドコモ端末＋MVNO SIMでもテザリングを使えるようにする方法（root不要）

非rootでも、ドコモ版 Android 機＋MVNOの格安SIMで公式テザリングが使えるようにする技、を AndroPlus さんなどが紹介している件について触れておきます。

これは全ての機種で使える技ではなく、現状、Xperia AX、A、A2、Z1f、Z2、Z3、Z3 Compact、など、Xperia シリーズでの成功報告がメインとなっています。（LG G2 L-01F など他機種でも成功報告があるようですが…）

adbコマンドで公式テザリング時のAPN切り替えを無効化する

Android 端末のテザリング時APNロックを解除する方法は以下。

• Android 側で「開発者向けオプション」を出す
• Android 側で「設定」→「開発者向けオプション」→「USBデバッグ」にチェック
• PC 側で adb コマンドが使える様にする。（Android機種用のUSBドライバと Android SDK をインストール）
• Android を USB で PC と接続する。

その後、PC のコマンドプロンプトなどで adb コマンドがあるディレクトリへ移動し、次のコマンドを実行します。

adb shell
settings put global tether_dun_required 0

これだけです。

うまくいかない場合は、

• adb shell コマンドが無いと言われる場合
  →「Android SDK Manager」で「Android SDK Platform-tools」をインストールしましょう。
• adb shell コマンドでエラーが発生する場合
  → その機種用のUSBドライバ（adbドライバ）が正しくインストールされているか確認しましょう。

ついでなので、ドコモのテザリング周りの仕様と、今回の方法でMVNOでもテザリングできるようになる理由、についても触れておきます。

ドコモ版Android機は、公式テザリングにAPNロックが掛かっている

ドコモ版 Android 機で公式テザリングをONにすると、通常、接続先APNが強制的にテザリング専用APN「dcmtrg.ne.jp」へと切り替わる仕様となっています。

しかし、この「dcmtrg.ne.jp」はドコモ契約のSIMでしか繋がらない APN のため、「ドコモのAndroid端末に MVNO の SIM を挿すと公式テザリングが使えない」原因となっていました。

• （関連情報）Androidで現在接続中のAPNを確認する方法

厄介なテザリングAPNロックを無効化する方法はこれまでも知られていましたが、いずれも root 権限が必要。という欠点がありました。（具体的には、custom_settings.xml を書き換えたり、Android の内部設定値を保持している「settings.db」を軽量データベース「sqlite」で直接書き換える方法など）

今回、AndroPlus さんが紹介された技は、非rootでも「settings.db」を書き換えられる。というのが新しい点と言えます。

余談

今回の方法は、settings.db にテザリング関連の設定が入っている機種で、なおかつ、先のコマンドが許可されている一部機種でのみ使える、と推測されます。

未報告機種での成功・失敗情報は、コメント欄、Twitter などでいただけると、記事に蓄積できると思います。

目下、国内端末のSIMフリー化を推進中の総務省ですが、root を取得しない一般ユーザーにとってはテザリングAPNロックやaGPSサーバーロックなどの細かい課題が浮き上がってきている状況であり、MVNO 側からも総務省に対して声を上げていたとは耳にしています。

5月以降のSIMフリー義務化以降、SIMフリー化手続き時にこれらのロックが合わせて解除されるのか、それとも、ついにドコモのテザリング専用APNが廃止される形になるのか、どのような形で落ち着くのか、気になる所です。

ソース：

• root不要でsettings.dbを編集する方法 AndroPlus