新幹線なのに往復3,440円~、格安で京都・大阪に行ける「シャトルきっぷ」
地域限定の話にはなりますが、名古屋~岐阜~米原近くのJR東海道線沿線から京都・大阪まで、在来線と新幹線を使って格安で行ける「シャトルきっぷ」を紹介しておきます。
「格安旅行」といえば、まず、高速バスや格安航空券が思い浮かびますが、バスは遅くて疲れるし、飛行機は便数の少なさが欠点。
その点、シャトルきっぷは新幹線「ひかり」「こだま」が使えるから速くて便利、しかも安い、という面白い選択肢になっています。
※2021/2/20 料金改定を反映
醒ヶ井~京都間なら新幹線込みで往復3,440円、大垣~新大阪間でも6,340円
「シャトルきっぷ」は、岐阜県の穂積駅~滋賀県の米原駅 → 京都・新大阪駅間で使える特別な割り引き切符です。
経路としては、穂積~醒ヶ井から米原駅までの区間はJR東海道本線(在来線)を使い、米原から西の区間は新幹線「ひかり」「こだま」で京都・新大阪まで、という形になります。
料金は発着駅によって変わりますが、醒ヶ井~京都間なら往復3,440円、大垣~新大阪間でも往復6,340円と超激安(2021年2月時点)。
通常、米原~新大阪間の新幹線代は現金で10,080円、EX-IC(エクスプレス予約)でも8,500円。ここにさらに米原~大垣間の在来線料金が1,360円別途かかるので、合計9,860~11,440円くらいは必要になる計算です。
愛知県一宮市近隣や岐阜県内から、わざわざ在来線で名古屋駅まで戻ってから大阪方面の新幹線に乗り換えていた人ならもっと運賃は高いはずですから、「シャトルきっぷ」のおトク感はかなり高いと言えるでしょう。
新大阪方面の所要時間は?
新大阪方面までの所要時間は時間帯によっても変わりますが、切符購入にかかる時間を無視するなら、大垣~新大阪間で1時間15分~1時間25分といった感じ。(米原駅での乗り換え時間込み)
ただし、米原駅は「のぞみ」が停車しない駅なので、乗り継ぎ時間は多めに見積もっておいた方が無難です。
「シャトルきっぷ」の使い勝手の評価は、普段、新幹線に乗るために名古屋駅まで遠回りしている距離の長さで大きく変わると思います。
個人的には、岐阜県岐阜市に親近感を感じられる場所にお住まいなら、多分、「あれ?思ったより時間が掛からないし、めちゃくちゃ安いじゃん」という計算になるんじゃないかと。
シャトルきっぷの設定区間の始発は穂積駅以西となっていますが、それでも、ケチな人なら、岐阜駅や木曽川駅、尾張一宮駅からでも「シャトルきっぷで行こうかなー」と思うかもしれない、そういうバランス感覚と捉えてもらって良いです。
「シャトルきっぷ」を購入できる場所は?
2019年3月現在、当サイトが確認した「シャトルきっぷ」が購入できる場所は以下の3つです。
- JR大垣駅の指定席券券売機
- 設定区間内の出発駅(穂積~醒ヶ井)の有人窓口
- JR大垣駅周辺の主要旅行会社の支店・営業所
1番のオススメは、JR大垣駅の「指定席券券売機」での購入。
シャトル切符は、右上の「おトクなきっぷの購入」から買えます。
購入可能区間は「大垣←→京都」「大垣←→新大阪」の2種類。クレジットカードも利用できました。
購入前にカレンダーの画面があったので、恐らくは当日利用分以外も購入できると思います。
改札を出て左手の有人切符売場でも「シャトルきっぷ」は買えますが、けっこう並んでいることがあるので、基本は券売機がオススメ。混雑状況に応じて使い分けると良さそうです。
大垣駅での切符購入にかかる時間ですが、券売機が空いていれば5分程度。ただし、空いている保証はありませんので、僕は念のため20分は余裕を見ています。そして、時間が余ったら駅ビルでお弁当を買うわけです(笑)
鉄道に詳しい方ならご存知と思いますが、大垣駅は様々な列車の運転区間の始発・終点となる駅のため、窓口の負荷が近隣他駅に比べてかなり高めです。また、IT集積地であるソフトピアジャパンや大企業があることから通勤時間帯は混雑します。定期券更新が多い日・時間帯も注意した方が良いでしょう。
「シャトルきっぷ」で最大限に時間とお金を節約したい、という場合は、完全に裏ワザ的ですが、まず、醒ヶ井まで車で行ってシャトルきっぷを買う → 米原まで車で行く → 米原からいきなり新幹線に乗る、という技も使えるようです。ただし、醒ヶ井駅の窓口が常時開いているわけではないので、事前の営業時間の確認が必要でしょう。(シャトルきっぷの意図からすると、そういう乗り方はして欲しくないとは思いますが…)
シャトルきっぷの注意点
さて、そんな「シャトルきっぷ」ですが、格安ゆえの注意点があります。
それは、設定区間内の出発駅(穂積~醒ヶ井)の有人窓口や対応券売機、または大垣駅周辺の旅行会社(大垣発のみ取扱い)などで切符を購入する必要があるという点です。
これは例えば、西岐阜駅以東の「シャトルきっぷ」設定区間外から在来線で出発する場合は、一旦、設定区間内の駅で改札を出て、チケット購入のために窓口なり券売機に並ぶ時間を見込んでおく必要がある、ということです。
また、区間内からの出発だとしても有人窓口の営業時間に注意する必要がある、というあたりも盲点です。
営業時間に関しては、JR大垣駅のような自動券売機と有人窓口が併設されている駅なら問題ありませんが、田舎の有人駅だと1日に何度も窓口が閉じる時間帯があったりします。事前に把握しておかないと、最悪、切符が購入できないことにもなりかねません。
ということもあって、個人的にはJR大垣駅の自動券売機での購入が手軽で確実かな。とは思っています。
ダイヤを調べるのは面倒だけど、間違いなくおトク
格安旅行のわりに乗車便の縛りが緩く、わりと好きな時間にプラッと使える「シャトルきっぷ」。
出発地によっては乗り換え検索アプリでは出てこない乗り換えが必要になるため、時刻表とにらめっこしながら旅程を組む必要があるかもですし、あと、終電検索も大変ですが、そういうのも旅の楽しみの1つ、と思えるなら、チャレンジする価値のある方法の1つです。
ちなみに、帰路では必ずしも設定区間内で一度降りる必要はありません。ただし、その場合は乗り越し精算をお忘れなく。
終電時間帯は、駅によっては乗り越し精算機も無いし窓口も閉まっていることもあるので、その場合は、箱に料金を入れて改札を出るハメになるかも(苦笑)
なお、「シャトルきっぷ」の利用前には、必ず、公式サイトで最新情報や利用条件を各自、ご確認くださいね。