【LANコンセント自作】スーパーフラットLANケーブルをLANコンセント「ぐっとす」に接続する
ずーっと保留にしていた家庭内LAN工事の続きの話しを。
いよいよここが山という、パナソニックのLANコンセント「ぐっとす」にエレコムのスーパーフラットLANケーブルを挿し込むフェーズです。
うちの宅内LAN用配管は16mmのCD管なのですが、将来のネットワークトポロジの自由度を考えると、どうしても情報ボックスから書斎まではLANケーブルを2本入れたかった。というのは以前も触れたとおり。
しかし、他の部屋で使っている規格品の Cat 6A 8P8C LANケーブルを16mmのCD管に2本通すのは(抜けなくなりそうという意味で)危険そう、という判断で、仕方なくエレコムのスーパーフラットケーブルを2本共入れしたわけですが、それをLANコンセントに繋げるのにかなり苦労したので、記録として残しておきます。
今回の方針は、コンセントボックス内でこのような変換をする。というもの。
「スーパーフラットケーブル」→「LAN延長コネクタ」→「Cat 6A規格品LANケーブル」→「LANコンセント(ぐっとす)」という変換ですな。
ちなみに、これをコンセントBOX内に収めようとすると色々と至難の技。
他に方法が思いつかなかったので仕方なくこうしましたが、他人にはオススメできないなー。というのがやってみて感じた率直な感想です。
万が一、真似するなら相当な覚悟を持って臨みましょう。そして、可能なら、最初っから太めのLAN管を通しておいてもらうようにしましょう。
用意するもの
今回の施工で使用する部材と工具は、おおむね以下のとおりです。
これ以外に、カッターナイフとプラスドライバー、金槌、可能ならスパイク(ドライバーセットに入っている太い針のようなもの)も用意しておくと便利です。
また、LANコンセントの増設でコンセントプレートの穴が足りない場合は、メーカーのカタログを見てコンセントプレートを取り寄せておくと仕上がりがキレイでしょう。
知っておきたいこと
エレコムのスーパーフラットLANケーブルは、規格ものLANケーブルより芯線が異常に細いです。そのため、これを直接パナソニックの「ぐっとす」に挿し込んでも、結線が安定しません。
コンセントボックス内でスーパーフラットLANケーブルを、一旦、規格品の Cat 6A ケーブルに変換してから「ぐっとす」に挿し込むことにしたのはそのため。というわけです。
作業の難所
今回の施工は、思っているより大変です。ここにその難所を列挙しておきます。
- スーパーフラットLANケーブルのかしめの難易度は、規格品に比べて多少高い
- 変換機構をコンセントBOX内に収めるにはスーパーフラットLANケーブルのコネクタを短くする必要がある。そのため、かしめ前にコネクタを予め切断しておく必要がある
- LAN延長コネクタに無理な力がかかると、結線不良が発生しやすい
- LANコンセント「ぐっとす」に無理な力がかかると、結線不良が発生しやすい
また、前提スキルとして、LANケーブルの「かしめ」とLANケーブルテスターくらいは使える必要がなります。
この辺を読んでヤバそうだな。と思った人は引き返すならここが最後ですよ!
作業の流れ
スーパーフラットケーブルのコネクタカバーを短くする
今回の変換機構は、規格もののコンセントボックスに収まらない大きさです。審美性の観点からコンセントボックス内に収まるよう、スーパーフラットケーブルのコネクタの根本をカットして、サイズを小さくしておきます。
カットするのはこの位置。
金槌でナイフを叩いてカットしました。
スーパーフラットケーブルの成端とかしめ
続いて、スーパーフラットケーブルの成端とかしめ処理をします。先の工程で短くしたコネクタを使います。
スーパーフラットケーブルの専用皮むき工具は高価なため、カッターナイフで頑張って皮むきしました。この超細い芯線に傷を付けないように外皮を剥くのはかなりの難易度です。
ちなみに付属の説明書によると、スーパーフラットケーブルの配線タイプは国内の多くのLANケーブル同様、B配線でした。
スリーブに芯線をセットできたら、慎重にコネクタに通してかしめ工具でかしめます。
カシメ工具はスーパーフラットケーブル専用のものではなく、一般のものが使えるようですが、一応、メーカー指定の製品を使いました。
かしめる際はコネクタの頭に芯線の先がちゃんと当たっていることを確認しないと、中で芯線が曲がって接触不良を起こすことがあるので注意。
こちらが完成品。忘れずにLANケーブルテスターで導通チェックをしておきます。また、ある程度、力がかかっても断線しないことも確認しておきましょう。
短いLANケーブルを作って「ぐっとす」に挿し込む
続いて、規格ものの非常に短い LAN ケーブルを製作して、反対側を「ぐっとす」に差し込みます。
LANケーブルの長さは自由ですが、コンセントボックス内に収まる長さ、かつ、LANコンセントに無理な力が掛からない長さということで、僕はケーブル部分が8~10cmになるように製作しました。
なお、LANケーブルの配線がAタイプかBタイプかによって、「ぐっとす」側の挿し込み位置が変わるので意識して作業しましょう。
「ぐっとす」の根本をグリグリ動かしても結線が切れないよう、ぐっとす内部の配線に若干の余裕を作って結線するのがコツです。(詳しい方は通信品質面で思うところもあるかもですが)
作業が終わったら、ここでもLANケーブルテスタで接触不良をチェックします。
LAN延長コネクタの結線とテスト
LAN延長コネクタでスーパーフラットLANケーブルとLANコンセントをつなぎます。
今回は共入れした2本のLANケーブルを1つのコンセントボックスに入れます。
ここでもしっかりとLANケーブルテスタでテストをしておきましょう。
実はここが結構なハマりどころなのですが、どうも、この型番の組み合わせでLANケーブル延長コネクタに繋げたLANケーブルを両端から引っ張ると、一部の信号線が導通しなくなるケースがあることに気がつきました。
新品交換しても同じ症状だったので、諦めかけたのですが、延長コネクタの向き(頭とお尻)をつなぎ変えると症状が出なくなったので、向きを変えてみるのは1つの方法かもしれません。(どうも釈然とはしませんが)
コンセントボックスへの取り付け
コンセントボックスに「ぐっとす」をはめ込んでいきます。
こんな感じ。
配線を全て結線してコンセントボックスに収めたらネジ止めします。
ネジ止めの前にLANテスタで再度チェックをした方がよいでしょう。ここで接触不良が出るとハマりパターン入りで、原因調査と対策にかなりの時間が必要になります。ある程度力がかかっても結線が切れない施工を意識しないと、この方法は本当に難しいです。
結線テストに合格したら、コンセントボックス用の薄いパネルをネジ止めして、コンセントプレートを取り付ければ完成です。
インターネット側と宅内LAN側とでLANコンセントの色を変えてみました。「ぐっとす」はいろんな色が選べるのも特徴です。
最後に LAN ケーブルテスタでチェックをして作業完了。
おつかれさまでした。
ちなみに、コンセントプレートの穴の数や位置が合わない場合でも、コンセントプレートのメーカー名・シリーズが分かればプレートを取り寄せ可能です。
うちはパナソニックの「コスモシリーズワイド21」だったので、そのシリーズのコンセントプレートを買ってきました。
なんかもう何屋なのか分からない感じの作業で本末転倒もいいところなんですが、それでもDIYって楽しいもんですよねぇ。