【レビュー】au端末にドコモ系MVNO SIMを挿してメイン端末として使えるか試してみた

 2024年8月9日

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SIMロック解除した au の Android機「Galaxy S6 edge SCV31」と「Xperia Z4 SOV31」の2機種に、ドコモ系 MVNO「IIJmio タイプD」を挿して使いものになるのか、しばらく人柱になってみたのでレポートしておきます。

数ヶ月に渡っていろんな場所、いろんなシチュエーションでほぼメイン端末として持ち歩いてみた使用感のレビューになります。

au端末が対応しているドコモの周波数帯は?

au の Android 機にドコモ系SIMを挿す場合、最も問題になるのは対応周波数帯の少なさです。

世界的には端末側の多バンド対応が当たり前の時代になった中、相変わらず au の Android 機は対応周波数が少ないままなので、ドコモの周波数の多くは掴めない、という不利な条件での運用になるわけです。

具体的な対応周波数帯はもちろん機種によって変わるので、公式サイトで事前確認しておく必要があります。

まとめると au の Android 機の対応周波数帯は、比較的新しい機種なら LTE B1 / 3 / 18 / 26 はまず対応しています。加えて、機種によっては LTE B19 / 21 / 28  も掴む、という感じ。

今回試した au 版 Galaxy / Xperia 系が対応しているLTEバンドは B1 / 3 / 18 / 26 / 28 の5つ。

つまり、ドコモSIMを挿した場合、LTE B1 / 3 / 28 の3バンドのみでの運用となり、ドコモがエリアの穴を塞ぐのに多用している800MHzのLTE B19やB21は使えません。

また、今回の2機種とも、3Gの対応周波数帯が2.0GHz帯のバンドIのみで、800MHz帯が使えないというのも、不利な部分になります。

電波はちゃんと掴む?

さて、プラチナバンド系全滅、という悲惨な au Android 機でドコモ網がどれくらい使い物になるのか、実際に運用してみた感想はこんな感じになります。

  • 田舎の市と市の間など、電波が薄いところではLTE→3Gにフォールバックすることがある。
  • 4Gの電波の掴みが弱いエリア(アンテナピクトがゼロとか1とか)が明らかに増えた
  • ちょっとしたスーパーの中とか、建物内で3Gにフォールバックすることがちょくちょくある。
  • 3Gにフォールバックすると、SNS・LINEなどへの画像投稿に数分以上時間がかかることがあって、かなりストレス。

総評としては、「建物が密度があまり高くない中途半端な田舎で使っている分には、そのうち慣れるレベル」という感じの電波の掴みでした。

ドコモ網でもVoLTEは使える?

試してみましたが、2機種ともドコモ系SIMを挿すと、LTEエリアでも音声発着信時に3Gにフォールバックするため、VoLTEは使えない。という結論になりました。

ここで思い出してほしいのは、au の Android 機のほとんどが3Gは2.0GHz帯のみの対応。という部分です。ドコモが山間部などで使っているFOMAプラスエリアに対応しておらず、しかもVoLTEも使えないということで、ツーリングなどで僻地に行く方は、パケット通信も音声通話もどちらも通らなくなるケースは覚悟しておいた方が無難です。

実はそういう意味では、au版HTC 10 は LTE / 3G ともに800MHz帯に対応しているので、まぁ性能も高い端末ですし、SIMロック解除して使うなら狙い目の端末と言えるかもしれません。

au端末+ドコモSIMでテザリングはできるか?

気になる au端末+ドコモ系SIMでのテザリングですが、これに関しては、テザリング時にAPN切り替えが行われるドコモ端末とは違い、au端末では問題なく使うことができます。

ただし、Galaxy S6 edge では APN 設定のAPNタイプを「default」以外にも「mms,supl,hipri,dun」を設定する必要がありました。(一部オプションは不要かもしれませんが)

S6 edge だけでなく、S7 edge などの Galaxy 系でも同様にAPNタイプを変更しないとテザリングできない場合もあったので、Galaxy 系を使っている人は注意したほうが良さそうです。

GPSの掴みは?

ドコモ系Android+ドコモ系MVNOではGPSの掴みが悪くなるという問題がありましたが、理論上は、SIMロック解除したau端末でこのような問題が起こることは無いはずです。

しかし、実際には、長時間Wi-Fi接続だった端末を外に持ち出したときのGPSの掴みに関してはなんか悪いなぁ。という感覚はあります。

A-GPSデータのアップデートをして、かつ、位置情報をOFF/ONすると掴むようになるので、実用上は問題ないのですが、最初はしまったかな。と思った部分です。

auのAndroid機って色々とクセがない?

ドコモ系端末と違ってあまり数を触っていないので下手なことは書けないのですが、なーんかどうも、au の Android 機はクセがある気がして仕方がありません。

しかもそれが機種やメーカーに依らず出る症状のような気がして、なんらかの魔改造がされてるんじゃないかという感覚があります。

先の Wi-Fi → 4G 切り替え後の GPS の拾いが遅い件もですが、画面の明るさセンサーがおかしくて、明るい場所に行くとまれに画面の輝度が最大~最小にパカパカと変化したりとか、色々。

個人的にはドコモ版の Xperia X Performance はバッテリー容量を除けば素晴らしい端末だなー。と思ってるんですが、au 版 Xperia X Performance を使っている人の話しを聞くともう泣けるくらいにボロボロって感じですし、大丈夫なのかなぁ。と思ったりもします。

ポケモンGOや Ingress などの位置ゲーをあまりプレイしない身なら、そこまで問題にならない症状が多い気もしなくはありませんが、さすがに Galaxy でも Xperia でもどちらでも同じ症状が出ているのを見るに、Android 6.0 がおかしいのか、auがおかしいのか、よく分かりませんが、少なくともこれまで乗り越えたことが無い壁を乗り越えないと、ちょい辛い部分はあるかもしれません。

 

ちょっと話が逸れましたが、auのAndroid機でドコモ系SIMを使う場合の注意点、という感じで参考にしていただければと思います。

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この記事へのコメント(1件)

  1. ken says:

    6年前

    レビュー読ませていただき大変参考になりました。
    au Xperia XZ1 SOV36 をドコモ系格安simで使用出来ないかといろいろ探していて辿り着きました。探した中で一番参考になりました。
    端末はロック解除しているのですが、読ませていただいた限りでは、田舎に住んでいるので厳しいかなと言う感じです。
    どうもauは使い勝手が悪いと言うか、親切じゃない感じです。

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