国内版ZenFone 3はUQ mobileが安く見えるけど要注意。ぴったりプランは罠よ
えーと、昨日発表だったけど、国内版の価格を見てあえてすっ飛ばしてやりましたよ。ASUS のミドルレンジSIMフリースマホ「ZenFone 3」。
海外版よりかなり割高、ってことでそりゃ非難轟々にもなるわけです。
これだけ国内版が高いと、「個人輸入したいけど、それもちょっと怖いなー」という人が色々探した末に UQ mobile の「マンスリー割」にたどり着きそうな予感がしたので、その罠について記事にしておきますね。
簡単にまとめると、アレはキャリアの2年縛りと似た構造なので、実質的に得とは言いづらいですよ。ということ。あと、別にMVNO販売時の割引原資にするために国内版を高めに設定した。ということも無いように思うので、その辺の空気感を感じて欲しいなぁ…。
UQ mobileのZenFone 3は一見安く見えるけど…
まず、UQ moible で国内版 ZenFone 3 を分割購入した場合の実質価格ですが、UQ に都合よくまとめるとこういう感じになります。
- 端末代金:頭金6,200円+端末購入アシスト加算料 1,400円×24ヶ月=39,800円
- 値引き:マンスリー割 月額400円×24ヶ月=9,600円
- 実質価格:30,200円(税別)
これは、一括購入時も実質同額ですな。
公式サイトにデカデカと書かれているモデルケースからはこんな風にも読み取れる UQ mobile の ZenFone 3 ですが、これらは後述の「ぴったりプラン」やマンスリー割が適用される前提となってます。
この数字だけ見ると、パッと見ではもっとも安く ZenFone 3 を買えるように見える UQ mobile ですが、その裏には、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアと同じ2年縛りと違約金の仕組み、そして、割高な回線料金とその値引きのための2年縛り、というどこかで見たような構図の罠が潜んでいるのです。
回線料金を割高に設定し、2年縛りで割安に見せる。実質得ではない「ぴったりプラン」
UQ mobile で ZenFone 3 を安く買おうと思うと、基本的には「ぴったりプラン」という月額3,980円の回線料金プランを選ぶことになります。
「ぴったりプラン」では、毎月無料通話60分とデータ通信量2GBを利用できますが、この内容の MVNO 回線が月3,980円で割安、と思う人は皆無でしょう。無料通話を使い切る人でもかなり割高と言って差し支えない、そんな料金プランです。
こんなものはそのままでは売れないので、UQ公式サイトでは、この「ぴったりプラン」に25ヶ月間縛りのスマトク割とイチキュッパ割を適用したプランを目立つように掲載。これにより、当初13ヶ月は2,000円引きの月額1,980円という MVNO らしい料金水準に。また、14ヶ月目~25ヶ月目は2,980円という、ちょっと割高かな?というレベルの料金水準まで絞ってはいるわけです。
この「ぴったりプラン」を前提として ZenFone 3 を購入する場合、頭金6,200円と実質的な端末分割払いとなる「端末購入アシスト加算料」が月額1,400円×24ヶ月で端末代金の総支払い額は計39,800円。ここから月額400円のマンスリー割を引くと、実質的な回線料金は、当初13ヶ月は1,580円、14ヶ月目以降は2,580円と見ることができる。というわけ。
つまり、UQ mobile で ZenFone 3 を買うなら、ZenFone 3 を定価の39,800円で買って、さらに25ヶ月縛りのUQ回線(2GB+通話60分)を当初13ヶ月は1,580円、14ヶ月目以降は2,580円という料金で使いたいのか。という部分が、契約判断のポイントになると思います。
そして、ここからが考えて欲しい部分になるのですが、今回の契約の場合、25ヶ月以前に解約すると経過期間に応じた端末購入アシスト解除料が必要になってきます。これは早期だとかなり高額の解除料になりますが、まぁ、端末代金の回収という意味で仕方ない施策でしょう。そして、残存期間のマンスリー割(月額400円)も得られない。という形になります。
さらに、マンスリー割の適用条件としては、割引無しだと割高な「ぴったりプラン」への加入が必要になるわけですが、月額3,980円払って2GB+音声60分のMVNO回線を使う人はいないでしょうから、実質的には25ヶ月縛りのスマトク割、イチキュッパ割も適用するわけです。そして、その場合、契約25ヶ月目の更新月以外の解約は契約解除料9,500円が必要となるという仕組み。ほらね。罠でしょ。
25ヶ月未満で解約するつもりなら、もうこの時点でUQはやめとけ。という話しになりますし、正味のところ、25ヶ月ぴったりで解約するとしても、そもそもの「ぴったりプラン+スマトク割+イチキュッパ割」でも2年目は割高感があるので、UQじゃなくてよくね?という結論になるわけです。
で、さらに、さらに罠はありまして、スマトク割とイチキュッパ割は、解約月には適用されないので、25ヶ月ぴったりで解約した場合でも、最終月には余分なお金を払うことになる。というオマケ付き。
とまぁ、総務省が泡を吹いて倒れそうな、キャリアと大差ないプランに仕上がっているわけですよ。
兎にも角にも、料金体系を複雑にする→消費者が損。という無限軌道を回してきたスマホ回線契約の世界なわけですが、なるほど、端末代金と回線料金は分離しろよ。と言いたくなるようなプランなわけです。
まぁ、割賦でしか端末を買えない層がいるのは間違いない事実ですし、実際にキャリア端末のほとんどは割賦販売とも聞きますので、MVNO のさらなる普及には端末の割賦販売は必須なのだと分かってはいるんだけどさ。あと、割賦ってことは代金回収のリスクや金利も考える必要があるわけで、イスラム金融じゃないですが利息は取れなくても利息相当の手数料は別の形で取りたい。という販売側の都合も分からなくもないのだけど、もうちょっとこの辺、なんとかならないもんかね。と思うわけです。
(ちなみに個人的には、端末はいつもニコニコ一括払いなので、あんまし関係ないんですけどね。)
スマトク割もイチキュッパ割も、このタイミングで発表されたものでは無いのだけど、なんというか、結局 MVNO もキャリアと同じ商売になってきてるよね。という。
関係ないけど、ASUSのスマホは不良率が高い印象で、周りもけっこう不具合を訴えてる感。そしてサポートの対応の悪さも問題視されてる。9月に入って輸入版の ZenFone 3 を使っている人の評判を色々聞いていると基本的に評判はいいんだけどさ。国内版の値段の高さと OS アップデートの遅さとで、なんだか Honor 8 とか Huawei P9 買う人が多そうな予感…。
参考情報: