【レビュー】日本上陸!音楽ストリーミング「Spotify」を無料で使ってみた

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最近、よっぽどじゃないとアプリやWEBサービスのレビューを書かなくなったんですが、それでもコレはなかなかスゲーね。という感じだったので、ついに日本上陸した音楽配信サービス「Spotify」のレビューを書いておきます。

結論から書いてしまうと、「これは、これまで一度も音楽ストリーミングサービスを契約したことがない人が、初めて登録するサービスになりそう」な予感がするサービスです。

無料会員でもかなり使えちゃうSpotify

Spotify の特徴は色々ありますが、中でも一番大きいのは「無料会員でも広告付きで音楽を楽しめる」点です。

UIの秀逸さやおすすめの精度の良さなど、褒めたいポイントは決して少なくない Spotify ですが、そういった良さも、まずは使ってもらわないことには始まりません。

Spotify では、他の音楽配信サービスでよく見られるような「お試し期間」方式ではなく、無料会員にもわりかし普通に使ってもらうことで、細かい機能をじっくり試すことができるようになっています。

無料会員の制限はたくさんありますが、実際に使ってみて気になった有料会員との大きな違いはこんな感じ。

  • オフライン再生ができない
  • 曲間にときどき広告が挿入される
  • 高音質ストリーミングが利用できない
  • モバイルアプリ利用時、シャッフルプレイしかできない
  • モバイルアプリ利用時、曲のスキップができない

他にも制約はありますが、それでも使い方次第では十分に使える。使いものになっちゃう。そんな懐の深さが Spotify の魅力と思います。

気になる広告ですが、現在のところ日本向けには、キットカット、コカコーラ、VOLVO、NETFLIX、BOSE Sound Touch、Spotify のプレイリスト広告などが配信されている状態。まるでラジオを聞いているみたいで、そこまで邪魔に感じさせません。review_japanese_version_of_spotify_73_sh

無料ユーザーでも、曲やアルバムをプレイリストに登録できたり、review_japanese_version_of_spotify_27_sh

Facebook や Twitter、tumbler へのSNS連携や、曲のURLを友達に送信する機能や、review_japanese_version_of_spotify_31

モバイル版ではイコライザの設定まで無料で使えます。
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また、無料版でも歌詞の同期表示ができたりと、かなり使える感じです。
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無料でもここまで使える。ということで、有料の音楽配信サービスに登録したことがない人や、登録したことはあるけれどいつも試用期間終了後に解約しちゃう。そんな人がちゃんと使うようになる初めての音楽配信サービス。Spotify は日本でそんなサービスになる気がします。

無料で使えるからこそ有料会員にアップグレードしたくなる

ここまで無料で使わせてしまって Spotify って大丈夫なの?と一瞬、思うわけですが、使い込んでいる内にプレミアム会員になりたくなる動機ってのもちゃんと作られていまして。

個人的にキッツいなぁ。と思ったのは「モバイルアプリでのシャッフルプレイ縛り」と「低音質」の2点。
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Spotify はあまりにも使えるサービスなので、慣れてくると外部スピーカーで音楽を聞きたくなってくるんですよね。

無料版では低音質ストリーミングしか使えないのですが、情報量の多い曲をちょっとしたスピーカーで聞くと、ハイハットなどの圧縮ムラが気になるようになるわけです。

スマホやタブレットでは気にならなくても、使い込んでいるうちに「高音質ストリーミング」を使いたくてしょうがなくなってくる、そういう仕組みになっているという。

また、モバイルアプリで目当ての1曲だけを再生することができず、常にシャッフルプレイのみ。しかも、前後の曲にスキップすることもできない。というのはかなりストレスフルな制限で、これもプレミアム会員にしたくなる大きな動機と思います。

無料会員でもPC版Spotifyなら1曲ずつ再生が可能

Android / iOS アプリ版しか使っていないと、無料版はシャッフルプレイしかできない、と勘違いしやすいのですが、少なくとも手元の環境だとPC版Spotifyアプリではこのような制約はありません。ですので、PCで曲を1曲ずつ自由に再生して、自分だけのプレイリストを作ってから、スマホに持ち出す。という方法の方がやりやすいと思います。

もちろん、プレミアム会員になってしまう。というのも手なんですけどね。

対応曲は洋楽ならかなり多い。邦楽は無いものも多い

邦楽の対応状況については今後改善されるかもなので、現時点であまり厳しいことを書くのはやめておきますが、Perfume やジャニーズ系の曲が無いとか、マキシマムザホルモンがない、在日ファンクがない…と、探せば粗はけっこうある状況と言えます。

ただ、さすがに洋楽のラインナップは相当良い。かなり込み入ったジャンルの曲でもけっこうあるイメージでした。

まぁ、こういう訳の分からない曲すらある。というあたりを見ていただければ、分かる方には分かっていただけそうな。
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曲のラインナップの話からは少し逸れますが、個人的にはギャップレス再生の仕方が分からないのが気になっています。これは例えばDJプレイのように曲間が無い前提で編集されているような曲で違和感がある。という事です。まぁ、無料でここまで使ってて文句を言うのもアレなんですけどね。

「クラウド生まれ」を感じさせる高度なデバイス間連携機能「Spotify Link」の凄み

あと、これ単体でも別記事に切り出せるレベルの機能かな、とは思ってるんですが、同一Spotifyアカウントでログインしている複数機器を連携できる「Spotify Link」もかなり特徴的な機能です。

歴史的経緯の話をさせてもらうと、例えば Google Play Music なんかの場合、ユーザーが iTunes に登録してあるローカルの楽曲ファイルをクラウドに取り込む形でユーザーを獲得してきたわけで、それが故か、意地悪な見かたをすると Google Play Music は「宅内の音楽サーバーがクラウドになった」という域を出ないサービスとも言えるわけです。

それに対して Spotify Link は、あえて語弊がある言い方を許してもらえるなら「一つのユーザーアカウントごとに仮想のクラウドプレイヤーがある」かのような感覚を覚えるような、先進的な設計になっているのが特徴と言えます。(実際には違うわけですが)

この感覚は、スマホ単体やPC単体で使っていると分からないと部分にはなりますが、例えば Spotify Link で繋がった PCとスマホ、そしてスマホとペアリングした Android Wear があったとすると、PCで再生中の音楽がクラウドを介して、さらにスマホを経由して Android Wear に曲名が表示される。といった具合。しかもそれだけではなく、Android Wear から曲のスキップなどのコントロールもできてしまう。と来ちゃう。

これはかなり未来感のある設計だなー。と思うと同時に、家族で使う場合なんかまで考えると無料ユーザーにも間口を広くしておく意味、みたいなものにまで思いが広がるわけで、かなり懐の深いサービス設計になっていることを想像させてくれるわけです。

また、Spotify は Bose Sound Touch のようなストリーミング対応スピーカーと組み合わせることもできるので、この手のハードウェアを揃えている人なら、Spotify の先進性を満喫することができるのではないでしょうか。

 

Bose Sound Touch のようなストリーミング対応スピーカーなどのハードウェア連携は、先進ユーザーにはさほど真新しさはないかもしれませんが、無料でもかなり使い込める間口の広さとUI の秀逸さ、そして、音楽に最適化されたソーシャル性を持ったプレイリスト機能など、Spotify には明らかに抜きん出ている部分は少なくありません。

また、Spotify Link も特筆すべき機能となっており、国内の音楽配信サービスの勢力図がどうなるか、楽しみなサービスと思います。

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