スマートスピーカー「Amazon Echo」を実際に使った感想。これは生産性向上ツールだね【レビュー】
先週末になりますが、我が家にもようやく話題の「Amazon Echo(日本版)」がやってきたので、数日使ってみた感想をまとめておきます。
もはや、「Echo」や「Alexa」がスマートスピーカーの代名詞になってしまうのではないか、というくらいに本命感のある本製品ですが、その実力の一端でもお伝えできればとは思います。
意外と小さい。悪くないデザイン
Amazon Echo は、AIスマートスピーカーと呼ばれるジャンルの製品です。
ACアダプタ駆動でバッテリーを搭載していないため、基本的には部屋に据え置きで使うスタイルになります。
据え置き機で気になるのは、やっぱりデザインとサイズかと思いますが、開封して最初に感じた印象は、意外と小さいしデザインも悪くないじゃん。というもの。
Amazon の商品写真が真っ黒で円筒形だからか、注文時には威圧感があるイメージだったのですが、実物は少し青みががった表情のあるファブリックがメイン。今っぽい家具や部屋に合う、良く考えられたデザインと思います。
サイズ感も悪くありません。フットプリントが少ないこともあってか、絶妙に邪魔にならない感じ。一般的な整理のされているリビングであれば問題のないサイズのはずです。ただし、6畳以下の部屋や、物が多い部屋では「Echo dot」も選択肢に入れた方が良いかもしれません。
セットアップ方法は一般的なWi-Fi家電と同じ
ディスプレイの無い Amazon Echo ですが、そのセットアップ方法は、一般的なディスプレイ無しの Wi-Fi 家電と同じ流れになっています。
まずは Android / iOS へ「Amazon Alexa」アプリをインストールして、
アプリを起動したら Echo へ接続。そのままスマホから Echo へ Wi-Fi 接続情報などを設定するだけです。
内部的な話をすると、一般的なディスプレイなしの Wi-Fi 家電同様、Echo 自身が一時的に Wi-Fi アクセスポイントになるので、そこへスマホから接続して設定を入れ込むという仕組みになっています。(この例では Amazon-L38 が Echo のアドホックな SSID になっています。)
この大きな流れを理解していて、かつ、すんなり行けば、Echo の初期設定は極めて簡単です。ただし、先に説明した Echo の一時的なアクセスポイントに接続できない場合は手動で Wi-Fi に接続する必要があり、その場合はスマホの設定画面にその案内が表示されるようになっています。
(※この他にも、Amazon.com と Amazon.co.jp とでアカウントが結合されているユーザーで、Wi-Fi 設定に失敗する症例が上がっています。この場合は、カスタマーサービスに連絡すると良いようです。)
シンプルなボタン。外部スピーカーも利用可能
Amazon Echo に電源ボタンはありません。ACアダプタを接続したらすぐに Echo が起動します。
ボタンは上面に4つ配置。機能はそれぞれ、ボリュームのアップ・ダウン、アクションボタン、マイクオフ・オンです。
家庭での利用であれば、Echo を設置しているのに敢えてマイクをオフにする機会は少ないと思います。また、ボリュームのアップ・ダウンは音声コマンドでも出来るので(10段階。一気に上げ下げも可能)、初期設定時以外にボタンを触る機会はまずありません。せいぜいが、セットアップモードに入れるためにアクションボタンを長押しするくらいです。
端子はACアダプタの入力とオーディオアウトの2つだけ。周辺機器に関しては、Bluetooth の外部スピーカーを接続することもできます。
ACアダプタは21W。出力が高めなだけあってサイズも少し大きめです。
マイク性能は実用的。音声コマンドは多少あいまいでも認識する
スマートスピーカーといえばやっぱり気になるのはマイクの聞き取り性能です。が、これに関しては我が家では「問題ないね」という良い評価になっています。
テレビを見ていたりゲームの音楽が流れている中でもわりとちゃんと聞き取ってくれますし、 部屋の中心に置いて3mくらい離れていても反応が悪くなった気はさほどしません。
僕の方はもともと Google アシスタントを多用していたこともありますので、Alexa の音声コマンドも違和感なく使えています。一方で、まだ不慣れで冒険心の強いうちの嫁は、変なコマンドを入れて思ったように動いてくれず、不満なときもあるようです。が、それでもまぁ、使えている様子です。
音声コマンドの入力は厳密である必要はありません。標準スキルもストアスキルも、多少あいまいな言い回しでもわりと認識してくれます。これは、実用上、けっこうな安心感につながる部分と思います。この部分については「まったくコツが要らない」と言ったらウソにはなるので、人によっては相性があるかもしれませんが、僕としては、現実的な時間と努力で普通に慣れられる範囲。という評価をしたい部分です。
ということで日本語環境での音声認識性能もまずまずの Alexa ですが、固有名詞が絡む検索系は、Google 製品と比べると現時点ではどうしても見劣りする部分になっています。
例えば、特定の商業施設名などは、文字としては正しく認識していても、検索先が恐らくは基本的に Yelp のベニューとなるためか田舎では情報不足。お世辞にも使い物になるとは言えません。都市部であれば印象もまた違ったものになってきますが、それでも、Google 方に強みがあるのは確かです。
一方で、Amazon Alexa と言えばスキルストアの充実ぶりが特徴になるわけですが、こちらはさすがに買ってよかったと思えるラインナップになっています。
銀行の残高確認からルンバの運転・充電状態確認とコントロール、あと、これは実際に使うかどうかは分かりませんが「すき家」の牛丼のオーダーまで、相当数のスキルが既に揃っている、というのは大きなアドバンテージでしょう。
また、ホームオートメーション連携でも製品の選択肢が多いのもありがたいところ。我が家でも、12月1日に発売される他社製の赤外線対応ホームゲートウェイを予約注文してあるので今から楽しみにしています。
日本では対応が遅れていますが、上位モデル「Echo Plus」が搭載する Zigbee 規格に対応した家電をお持ちのご家庭であれば、電球などのコントロールも可能ですし(Zigbeeの互換性は完全ではないと聞いていますので、要確認かもしれませんが)、また、海外では Alexa 対応の壁付けスイッチパネルなども充実していますので、Zigbee非対応の照明のコントロールにも道が開けやすい立ち位置にいる、というのも評価できるところです。
とりあえず、今後、日本でどうなるかはまだ微妙に未知数な部分もありますが、ワールドワイドで見れば Google Home に対応していて Alexaに対応しない。ということはちょっと考えづらい状況ですので(無いとは言いませんが)、そういう部分の将来性は強みのひとつと言えるでしょう。
そういった拡張性の部分と将来の改善の余地、という部分で Amazon Alexa は面白い製品だと思います。
もちろん、標準スキルに関しても、音楽の再生、天気の確認、ニュースの確認、タイマーのセット・確認、Googleカレンダーなどのスケジュール確認、リマインダーの設定といったものは、日常的に使っていますし、さほど不満があるものではありません。
ただ、敢えて言うなら、遊びの部分は弱いというか。もうちょっとおちゃめなものを求める人には、少し失望する部分もあるかもしれません。でも、あくまでも声を使って作業を効率化する実用品として捉えるなら、将来の拡張性も込みで見て良い製品だと思います。
音質はサイズのわりにまずまず
「Amazon Echo」の音質ですが、最近良くあるバッテリー駆動の Bluetooth 対応モバイルスピーカー的とでも表現したら良いでしょうか。あれの安いヤツよりは良く鳴る印象です。
欲がある方は外部スピーカーを付ければ良いと思いますので、音質は特に問題ではないのかもしれませんが、それでも、僕は手軽さと音質のバランスから、Echo dot でなく Echo にして良かったと、率直に感じています。
自宅に館内放送設備ができたのかしら、と思うような雰囲気になりますよ。
Music Unlimitedに未加入でもPrime Musicの楽曲が再生可能
今回、Echoの国内発売に合わせて月額380円の Echoプランが用意された Amazon Music Unlimited ですが、それに加入していなくても、Prime会員であればプライム特典のひとつである「プライムミュージック」が Echo で検索・再生できる音楽に加わります。
これは、月額費用をできるだけ抑えたいコスト重視派には地味に嬉しい情報かもしれません。また、プライム会員でもプライムミュージックを使っているケースは少ないのではないかと思うので、会員特典を骨の髄までしゃぶれる機会のひとつとなるかもしれません。
僕は、静けさが最高のBGMだと思っている人間ですし、聞きたい曲があったとしても新しいものが多いので Music Unlimited に加入しようかどうしようか迷っているところです。
長くなってきたのでちょっとこんな感じにしておきますが、最後に。
Amazon Echo は、質問に答えられないとき、「勉強しておきます」と言うことがあります。
また、Alexaアプリでも、Alexa の回答が正しかったかどうかのフィードバックを収集していることから、今後、回答の精度が向上することが期待できるわけです。
そういう部分、そしてユーザー数の多さ、また、対応製品の広がりも含めて、今後が楽しみなガジェットと思います。
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