【DIY】窓用の取り外し可能な防音壁を鉛で自作したら効果絶大(1/2)
2年前に引っ越してからというもの、色々な要因から、寝室の静かさと通風の両立に苦心してきた僕なのですが、ついに、完全解決に至る最後のパーツが完成したので、似た境遇の方のために情報を共有しておきます。
その最後のパーツというのは、「窓用の取り外し可能な鉛の防音壁」です。
ここに至る経緯とかまで含めるとちょっと長くなるので、今回は、2回に分けてお送りしたいと思います。
どうして防音壁を自作することにしたのか
まずはじめに、どうして防音壁を自作することにしたのか、ですが、結論から言うと「ピッタリのものが売っていなかったから」。
ハウスメーカーはもちろん、近所の工務店、リフォーム店とも色々相談したのですが、ウチの場合、審美性まで考えると設置要件が厳しく、縦すべり出し窓の2重窓化はかなり困難、という結論になってしまったのです。
で、こちらが問題の縦すべり出し窓。
この窓を、採風性を損なうことなく防音化したい。というのが今回の僕の要望。
ちなみにこの部屋には他の窓も設置されているのですが、そちらは引き違い窓ということもあり、2cmのふかし枠を設置する必要があったものの、比較的すんなりと防音ガラスの2重窓化が完了。
しかし、こちらの縦すべり出し窓は、ご覧のとおりハンドルが大きく飛び出ているため、ついぞ、どの業者さんからも良い返事がもらえませんでした。
実は1軒だけ、ハンドル部分をカットしてキレイに加工すれば2重窓にできるかも。と技術検討してくれたリフォーム業者があったのですが、最終回答は「無理」。(そちらの業者さんにはお礼として別窓の2重窓化を発注しましたが)
今、使っているシェードもそのまま活かしたい、という思いもありましたし、あとは、ウチの騒音特性やらなんやらについて、外部の業者にそこまでの知見を求めるのも酷な気がしましたので、この窓については、防音壁を自作することに決めた、というのが事の経緯になります。
防音壁の素材選びをどうするか
防音壁を作成するにあたり、もっとも重要なのは素材選びです。
防音で難しいのが低音の防音。うちは隣地境界までが狭いので、車のエンジン音などが減衰せずに窓から音が入って来やすい、という課題がありまして、一般的なロックウールやグラスウールでは不十分であろう、と推測されました。
ということで色々と調べた結果、アスファルトマットや鉛のシートといった鉱物系の素材が低音にもよく効くことが分かってきました。特に鉛は頭一つ抜きん出た防音性能を得られるらしく。
出典:防音専門ピアリビング 0.3mm厚鉛板の防音性能。
中音域以上ではMGボードなども有効らしいんですが、幅広い周波数の防音性能を追求するなら、MGボードに鉛のシートやアスファルトマットを張り合わせるなど、複合素材にするのが良さそう、という判断。
ただ、MGボードはカットが大変そう。うちには一般家庭に置いてある程度の工具しかありませんからね。
この他、鉱物系以外の素材で低音域の防音性能をアップするには厚みが重要、ということや、複数の防音壁を設置し、その間に十分なスペースを空けることも有用であるなど、防音に関しては多くの知見を得ることに。
正直、このあたりについてちゃんと書くと膨大な文章量になってしまうので今回は端折りますが、とりあえず、試しに作ってみる。というレベルであれば、0.3mm程度の厚さの鉛1層だけでも、かなりの防音効果が得られそうだし、施工性も悪くない。ということが分かってきたのは収穫。これならかなり薄い防音壁を製作できそうです。
なぜ薄さにこだわるのか、ですが、塞ぎたい窓の余地が狭くってですね。ハンドルを畳んでない状態での余地はゼロ、ハンドルを畳んだとしても、わずか5cmしか防音壁の設置余地がない。だから、薄さが超重要。
余地もない、しかも取り外しができる低音対応の防音壁、となると、こりゃ薄さと防音性に優れた鉛1択となるわけです。
というわけで買ってきた資材がこちら。
アイカ工業の2.5mm厚の化粧合板2枚、0.3mm厚の粘着付き鉛板ロール、ホワイトかぶせ。の3点セット。
構造としては、化粧合板で鉛を挟み込んだだけの構造にする予定。合板はもちろん安心の F☆☆☆☆(フォースター)です。
僕の腕と我が家の工具では、mm単位の工作精度で木工できる気がしないので、合板は事前にホムセンでカットしてもらってきました。
かぶせは50mmタイプのPVC製。
挟み込む総板厚が50.3mm+鉛の粘着層で、合計50.5mmといったところ。厚さが微妙に規格外になるのでちゃんと「かぶせ」が嵌まるか心配ですが、店頭で確認した感じだと、なんとかギリギリ入りそうな感覚。というわけで、こいつを使うことに。
合板はプロ向けホームセンターで好みの品質、柄のものを買ってくるのが良いです。そう、ホームセンターにも個人向けと業者向けとがあり、職人さんたちが建材とかを買いに行くプロ向けのホムセンってのがあるんですよね。
カブセもその手のホムセンの方が品揃えが良いと思いますし、厚さのサイズ感の確認もしやすいと思います。
ただし、さすがに粘着剤付きの鉛シートなんてものは店頭にはなかなか置いていないので、こちらはネットで買うのがオススメです。
というわけで、次回はいよいよ、これらの素材を使って製作に入っていきます。
って、見れば作り方分かりそうなもんですが、まぁ、色々あったんですってば。