水拭きモップマシンとしてブラーバ380jを2週間使ってみた【レビュー】
基本、お掃除はルンバに任せている我が家ですが、最近、どうも床がベタベタするのが気になってまして。
と、そこへ先日、ちょうどルンバの日(6月8日)が制定。何やらブラーバが格安でレンタルできるらしい、ということで、遅ればせながらどんなモノなのか試してみました。
レンタルした機種は「ブラーバ380j」。
すでにレビューし尽くされてる感のある製品ではありますが、逆に言えば昔の古いレビューが多いとも言える状況。ということで今回は、普段からルンバ980とスマートスピーカーを使いこなしている現代的視点から、こちらの機種をレビューしていきたいと思います。
大満足の拭き取り性能
まず最初は、基本性能である「お掃除の品質」から。
こちらについては、「早く買っとくべきだった」と地団駄を踏みたくなるくらい。とにかく床を気持ちよく、キレイにしてくれます。点数を付けるなら90点オーバーです。
我が家は、僕がハウスダストアレルギーということもあって床に髪の毛やホコリはほとんど落ちていないのですが、素足好きな家族がいるため、どうしても床に脂が付きがちなんですよね。
そんなこともあってか、最初のうちは拭き上げ後の水拭きパッドが茶色くなるほど。焼き肉の後くらいしか拭き掃除をしてこなかった我が家の積年の汚れが落ちていくのを実感できました。
1つだけ心配なのは床へのダメージ。というのも、ブラーバのパッドは恐らくはファイバークロス製のように見えるので、多少ですが床を削っているような。
このあたりの感性は、人造大理石製品をお使いのお宅なら理解してもらえると思うんですが、ファイバークロスってめちゃくちゃ汚れを落としてくれる代わりに、力を入れると傷が付いちゃう。まぁ、人大が柔らかいからって言われればそこまでなんですが。
取説でも、ワックスが厚かったりワックス掛けしてすぐの床面では注意が必要と書かれているほか、フロアコーティング済みの床では施工業者に確認してください、と書かれているので、パッドはそれなりに強力ということなのでしょう。
もっとも、ファイバークロスだからこんなにもキレイになる、という部分もあるでしょうから、このあたりは難しいところではありそうですが、でもまぁ、気に入らなければ自己責任にはなりますが別の布で代用してもいいわけですから、対処のしようはあります。
いちおう、購入時には気にした方が良いところでしょう。
ともかく、仕上がりは思った以上。裸足で歩くのが気持ち良い家になるのは間違いありません。
少し時代遅れなところも
お掃除の仕上がりに関してはケチの付け所の少ないブラーバですが、それでもやっぱり、今の時代の視点から見ると、さすがに気になる部分は少なくなく。
例えば、ルンバ980はめちゃめちゃ賢くて、Alexa に「ルンバで掃除して」と言えば勝手に掃除してくれるし、エラーからの復帰後も無駄のないインテリジェントな動きを見せてくれる。でも、ブラーバの場合は意外と手が掛かるし時間もかかる。ということで、若干、モニョる部分が少なくないのです。
また、ノーススターというナビゲーション用の誘導灯を都度ONにする必要がある点や、バーチャルウォールが無い点も今どきちょっとなー、と思う部分。
気になるところをまとめるとこんな感じ。けっこうあります。
- 一気に複数の部屋(3~4部屋以上)を掃除できない
- ノーススターをわざわざ設置するのが面倒
- スタート時、本体のボタンを人間が押さないといけない
- エラー発生後の再スタート時、掃除完了まで時間がかかる
- 充電ステーションから勝手に発進してくれない
- 充電切れ時に自力で充電して再スタートしてくれない
- スマホから状況確認、スタート、ストップできない。
- 充電時、底面になる場所にハンドルが付いているのでひっくり返すのが面倒
- もうちょっとバッテリー持つといいのに…(バッテリーがリチウムイオンじゃない)
- アプリ非対応なのつらい…
なんというか、ルンバ980とスマートホームに慣れてしまっているが故の贅沢な要求、という自覚はあるんですが、とりあえず包み隠さない正直な感想を書くとこんな感じ。早く新型出してなんとかしてください。と思っちゃう部分は少なくありません。
「1」「2」に関しては、ブラーバはノーススターナビゲーションシステムを採用しているため、カメラ付きの高級ルンバみたく、本体だけで複雑な形の部屋や廊下をインテリジェントには認識できない、という機能上の制限が関係しています。
ブラーバ380jであれば、最大2つまでのノーススターを同時利用できるので、2部屋、場合によって3部屋まではなんとかカバーできるケースもありますが、あまり無理をさせると、掃除してくれない場所も出てくるのが難しいところ。
我が家はさほど広い家でもありませんが、ノーススターが1つの場合、トイレやウォークインクローゼットの中まで全部拭かせようと思うと、家全体を7~8つくらいに分割して掃除させる必要があり、ちょっと面倒です。
もっとも、1度に1フロアまとめて掃除、という事になると、水タンクの容量不足の問題や、汚れを広げてしまうから都度クロスを洗ったほうがいい、という考えもあろうかとは思いますが、ロボット掃除機とブラーバを併用しているお宅なら、床は常にピカピカのはずですので、1フロアまとめて掛けられるようになれば良いのになー、とは思わないわけではありません。
「5」の充電ステーションから勝手に発進してくれない、というのは、ブラーバの充電台がこんな感じだから。
立てて充電して、使う時は寝かせる。という形なので、いちいち人手が介する形になります。
さらに「7」でも指摘しているとおり、ハンドルが床の側にあるので、このままスッとは持ち上がらない。一度ひっくり返して運搬する必要があるし、充電時もハンドル部分を下にして収納する必要がある。これはちょっとイケてないなぁ、と思う部分です。
あと「10」のアプリ非対応も辛いところ。動作音がほとんどしない静かな機種なので、掃除が終わったかどうかを目視で確認する必要があるんですよね。アプリ対応のルンバならスマホに通知が来るし、それを Pushbullet でPCに飛ばすこともできる。掃除が終わったかどうかがリアルタイムで分かるわけです。
さて、辛辣なこともけっこう書かせてもらいましたが、トータルでみれば悪くない製品なわけで。むしろ、本当のことを書いてくれる人が少ないと不幸だなぁ、との考えから、色々書いてみました。
で、レンタルしてみて買うかどうか、ですが、掃除の仕上がりを考えると喉から手が出るほど欲しい。でも、今さら買うなら、新製品が出るまで待ってもいいかなぁ、という気も。でもでも新製品が出るかは分からないから、我慢できずに買っちゃう予感も…。モニャモニャ。というところですな。
ただ一つだけ言えるのは、拭き掃除のロボットも我が家に絶対必要だ、ということ。
最近では、吸い込み掃除と拭き掃除を両方同時にこなしてくれる中華製品もあるにはあるのですが、なんだかんだで iRobot 製品は見た目もいいですし、個人的にアプリとスマートスピーカーに未対応の機種は辛いなー、という思いもあるので、ここはぜひ、本家さんに頑張って欲しいところです。