【Alexa】複数の部屋でスマートホームを使うなら、家電の名前の付け方はこれが鉄板

 2024年6月20日

Alexa のスマートホーム機能を複数の部屋で使うようになると困るのが「家電の名前の付け方(命名規則)」。

ということで今回は、複数の部屋で大量の家電を Alexa からコントロールする場合の設定のコツ、をお話します。

このあたりを意識するようにすると、以下のような症状の対策にもなります。

  • 登録した「定形アクション」が使えない、聞き取りに失敗する。
  • 電気を点けただけなのに、「グループ」で定義した部屋の家電全部がONになる。
  • 「同じ名前が複数あります。どれですか?」というエラーが良く出る。

複数部屋の同種・同名の家電をAlexaで呼び分ける

Alexa で複数の部屋に設置された同じ種類の家電を呼び分けるベスト・プラクティス、に入る前に、Amazon Alexa と Google Home における「部屋」の概念の違いについて説明しておきましょう。

競合である Google Home(Google アシスタント)では、各家電が設置されている「部屋」を登録できます。

このため、例えば「書斎」に設置された「エアコン」は、「書斎のエアコン」というキーワードで呼び出せるわけです。

また、書斎に Google Home が設置されている状態で「書斎のエアコン」という機器を「書斎」という部屋に登録すると、機器名が自動的に「エアコン」に変わり、書斎からは「エアコン」、他の部屋からは「書斎のエアコン」という名前で書斎のエアコンを呼び出せるようにもなります。

以前は「電気を点けて」と命令すると、全部屋の電気、それどころかスマートコンセントにつながったサーキュレーターまでもが点いて鬱陶しい、というイケてない仕様でしたが、現在はこの問題は修正され、「電気」というデバイス名で呼びかけてもその部屋の「照明」だけがONになるなど、洗練されたものとなりました。

ただ、現代的な設計の家だと部屋ごとに声の区画が分かれていないケースは少なくなく、これが誤動作の原因となる場合もあったりはするわけですが…。いずれにせよ、Google Home のこの仕様は設定の手間も少なく、呼び出し時のワード数も少なくなるため、手軽とは言えそうです。

一方の Alexa では「機器の所属する部屋」という概念はないものの、代わりに所属する「グループ」を指定できます。

1つの機器が同時に複数グループに所属できるのが特徴で、例えば、2階の各部屋毎のグループとは別に「2階」というグループも作る、といった使い方が可能。これはこれで非常に便利な機能です。

Google Home のカスタムルーティン機能でも似たことはできますが、Alexa の方式なら「グループ名+を+操作内容」という呼び出しコマンドのうち「操作内容」部分の言葉の揺れにも柔軟に対応してくれる分、より便利です。

このあたりは設計思想の違いというか、各社らしさを感じる仕様ですね。

ライトな使い方であれば、Google Home の方が取っつきやすいかもしれませんが、スマート家電が増えてくるとこのグループ機能は非常に良く使うようになってきます。

そんなこんなで我が家では、自然と Alexa に全てのスマートホーム機能が集約されていくこととなりました。

可能な限り、家電名の頭には部屋名を付ける

ということで色々と試した結果、我が家の Alexa での家電・機器の命名ルールは、次の内容に落ち着きました。

  1. 全部屋で1つしかない機器名の頭には部屋名を付けなくてもよい(付けても良い)
    例:「電気ケトル」「テレビ」「間接照明」など
  2. 最も良く使う部屋の機器名の頭にも部屋名を付けなくてよい
    例:(リビングの)「エアコン」「照明」「扇風機」
  3. 複数の部屋に同じ家電がある場合は、機器名の最初に部屋名を付ける
    ただし、「2」の一番良く使う部屋にある機器は例外とする
    例:(リビングの)「エアコン」「書斎エアコン」「寝室サーキュレーター」(リビングの)「明かり」「書斎の明かり」
  4. 「電気」を含む機器名は避け「照明」「明かり」に置き換える
    「電気」は特殊ワードらしい。ただし、問題なければ使ってもよい。かつては「照明」も特殊ワードだったが、今は使える。ダメな場合はそれも避ける。また、「間接照明」のように全く問題ないワードもある。
  5. 部屋単位での操作用に「部屋名」のグループを作成する
    例:「書斎」「リビング」「寝室」。
    ただし、誤動作する場合は、機器名の先頭に付いている部屋名と被らないよう工夫する。
    例:「仕事場」「ベッドルーム」など
  6. 機器名は可能な限り短く簡潔にする。特に、長い機器名との前方一致は避ける。
    例:「空気清浄機」と「空気清浄機ターボ」の共存は良くない。
  7. 家中の電源を操作したい場合は、「全部」というグループ名を作っておく。

という感じ。

この中で特に肝になるのは「2」「3」「4」「5」です。

Alexa では、異なる部屋に設置された家電名を全て「部屋名」+「の」+「家電名」に統一すると( 例えば、書斎とリビングに照明がある場合)「同じ家電が複数見つかりました。どれですか?」というエラーが出たり、また、どういうわけか部屋(グループ)全体の操作と勘違いされる場合があります。

具体的には、「書斎」というグループ名と「書斎の照明」という機器名が同時に存在した場合、Alexa に「書斎の照明を付けて」と命令すると、Alexa がこれを「書斎」「の」「照明」と分かち書きし、先にグループ名の「書斎」がマッチすることがあるのです。

この症状は、どうやら「電気」「照明」といった特定の機器名の場合で問題になりやすいように思います。

症状が発生する特定の機器名はこの他にもあり、例えば「除湿器」がその例です。例えば「ドライ」などに機器名を変更することでグループ名とのマッチを回避できる場合もあるので、そういう観点で設定を変更するのも方法です。

Alexa のスマートホーム機能の内部処理については、推測の域を出ませんが、かなりのヘビーユーザーである私の感触として、

  • Alexa はユーザーからの命令を分かち書きし、かなり柔軟にマッチさせる
  • 「電気」「照明」は特殊キーワード

という暗黙があると確信しています。

Alexa のマッチの柔軟さは、先に挙げた「書斎の照明」の例のように、時として誤動作の原因になることもありますが、その一方で、「書斎照明」として登録した家電を「書斎の照明」と呼び出すこともできるなど、利点もあるにはあります。このあたりは、背後にある複雑な仕様を感じるところです。

どうしても誤作動するときは部屋と機器名の間の「の」を消す

ちなみにどうにもちゃんと認識してくれない場合の逃げ道として、部屋名と機器名の間の「の」を機器名から消す、というのは、Alexaマニアなら知っておきたいTIPSです。

現状、先の「2」「3」「4」「5」の命名規則に従い、機器名を正しく調整し、また、機器名を正しく発音すれば、不具合の大部分は避けることが可能であり、実用上、問題なく運用できます。

Alexa の認識ロジックとしては、機器名の頭に部屋名を付けさえしなければ、こういった複雑な仕様に巻き込まれる危険性は少なくて済みますが、実際には複数の部屋に同種の家電が設置されているケースは多いでしょう。ぜひ今回のルールを参考にしていただき、快適な Alexa ライフを送ってください。

「~を消して」が効かない時は「~を切って」に

(※2020年7月までに、「~を消して」のフレーズでも正しく機器をOFFにできるよう修正されましたが、将来、必要になったときのためにこの項は残しておきます。)

今回のルールに従った場合、2019年6月の Alexa のアップデート以降「書斎のエアコン」のような部屋名が付いた機器が「~を消して」という言いまわしでは応答しなくなることが確認されています。

この場合、「~を切って」というフレーズにすればちゃんと電源が切れるので、言い方を変えてみてください。

以前も「~を消して」という言いまわしが効かなくなったことがありましたが、その際はリストの項目の完了と間違えられていたような…。

家電名変更はAlexaへの連携元で変更→Alexaへ再連携が理想

多くのスマート家電には専用の管理アプリが用意されており、そちらで設定した機器名が Alexa へ連携される、という機器名データの流れになっているかと思います。

この場合、下流である Alexa 側で機器名を変更してしまうと、どれがどの機器なのか分からなくなってしまいがちです。

ということで、家電名を変更する際は、あらかじめ各管理アプリ側で名称を変更してから Alexa へ反映するのがオススメです。

alexa_remote_naming_rule_13_sh

機種によって例外はあるかもですが、手元で確認した範囲では Alexa 側への名前変更の反映はスムーズにできます。

登録済み定形アクションやグループに登録済みの機器名も自動で変更される場合があるので、このあたりの試行錯誤のコストは低く抑えられるかも。ただ、定形アクション内の機器が勝手に変わっちゃう場合もありますが。

理想を言えば Google Home で実現されているように、例えば各部屋で「エアコンをつけて」と言えば、その部屋のエアコンだけがつき、別の部屋を操作したい時だけ部屋名を頭に付ける、というのがスマートそうな気もするのですが、扉のないオープンな空間に Echo が複数台ある状態だと、どれを優先するのか判別が困難でしょうから、現実的とは言えないのかもしれません。

我が家でも、ランドリールームで命令したのにキッチンの Alexa が反応してしまう場合が少なくありませんし、実際問題、電気のON/OFFは部屋に出入りする時がほとんどですから、点けたり消したりしたい場所が必ずしもスマートスピーカーがある場所とは限らないんですよね。エアコンなんかも、その部屋に行く前に事前に付けておいて冷やしたり温めておくケースも少なくないですしね。

ということで、今回紹介した命名規則。ご自宅のすべてをスマートホーム化する際などには、ぜひ参考にしてみてください。

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この記事へのコメント(7件)

  1. ウナストラーダ says:

    5年前

    こんにちは。
    私も複数台のスマートスピーカーと赤外線を導入したところ、二台あるテレビとエアコンのコントロールの際に「複数台みつかりました」と言われるようになりました。
    テレビはグループ化してからなのか、テレビ○○と言うだけでその部屋のテレビだけを操作できるようになりましたが、エアコンだけがどうしてもうまくいきません。
    今まで要らなかった部屋名をつけるのが地味に面倒に感じております。
    突然申し訳ございませんでした。

  2. ayu says:

    5年前

    こんにちは。とても参考になりました。
    先日2台目のエコーを購入したのですが、今まで 「エアコンつけて」で済んでいたものが「リビングエアコンつけて」と長くなってしまい少し不便に感じています。
    記事にある、
    >例えば各部屋で「エアコンをつけて」と言えば、その部屋のエアコンだけがつき、別の部屋を操作したい時だけ部屋名を頭に付ける、というのがスマートそうな気もするのですが、
    上記の操作ができたらすごく便利だと思いますがそのような設定は可能でしょうか?調べましたが分からなかったのでもしご存知でしたら教えてください。

  3. ひろも says:

    5年前

    コメントありがとうございます。
    記事の更新が追いついていないのですが、現在では Alexa 側のアップデートにより、例えばリビングに「エアコン」、その他の部屋には「部屋名のエアコン」と命名しても、「エアコン」という言い回しでリビングのエアコンのみが正しく動作するようになっている、との認識です。
    また、2019年6月のAlexa側のアップデートにより、部屋名の後の「の」を入れても動作するようになった、との認識です。
    ただし、その場合、「部屋名のエアコンを消して」という言い回しは使えず、代わりに「部屋名のエアコンを切って」と言い換える必要があります。
    このあたりの詳細については以下の記事をご確認ください。
    https://www.teradas.net/archives/30652/

  4. ayu says:

    5年前

    そうなんですね。徐々に便利になっていますね。色々な言い回しにも対応されるとうれしいのですが(^^;中々欲しい情報が手に入らなかったので助かりました。丁寧に教えていただきありがとうございます。記事の更新楽しみにしております。

  5. koba says:

    5年前

    参考にさせていただきました。アレクサ自体をグループに参加させると、部屋名を付けないときはアレクサと同じグループ内の家電、部屋名をつけると別の部屋の家電を操作できました。家電は複数の部屋に参加させられるので、全部という名前の部屋を別に作って、各部屋の証明を参加させておけば全部の部屋の電気をつけてで全部の部屋の電気を操作することもできました。

  6. ひろも says:

    5年前

    kobaさま、情報ありがとうございます。
    手元の環境ですとアレクサをグループ参加させた場合の挙動については確認できませんでした。が、それが理想的な動作だとは思いますので、時間が取れましたら追加検証させていただきます。
    手元の環境で動かないのは、ひょっとすると登録順なども関係しているのかもしれません…。

  7. トムトム says:

    4年前

    複数のアレクサが声の届くところに隣接している時、ウェイクワードを変えることで混乱を避けられます。「アレクサ」をメインにして「エコー」がお勧めです。

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