自分で内装変速ママチャリの後輪タイヤ・チューブ交換したら苦労したんだぜ
「来年以降、ぼちぼち買い換えようかなー」と思っていたママチャリの後輪タイヤが、先日、いきなりパンクしてしまいました。
で、自転車屋さんで修理の見積もりをしてもらったら、「もうタイヤの溝が少ないからパンクの修理はできないよ。タイヤ丸ごと交換だから6,000円だねー」と言われちゃいまして。
もう色々とガタピシ来てる自転車に今さらお金を掛けるのはもったいないよなー。ってことで、完全なる思いつきで、後輪のタイヤとチューブを自分で交換してみることにしました。自転車なんて触ったことないのに…。
内装変速機のワイヤー外しに苦労
自転車の修理方法なんて、今どき WEB やら YouTube を見れば大量に出てきますが、とにかく見つからなかったのがこの機種の内装変速機のワイヤーの外し方。
自転車自体はブリヂストン製で内装変速機はシマノ製なんですが、兎にも角にも今回のパターンのワイヤーの外し方がネットで調べても出てこない。ってことで、その方法を自分で考えたぜ、ってのが今回のクライマックスです。
分かっちゃえばどうって事は無いんですけど、自転車って同じ機構でもいろんな方式があるのね…。
事前準備1:道具を揃える
人生、極力機械モノを避けてきた僕ですので、当然、我が家にはありとあらゆる工具がありません。
が、最近は気が変わってきたので、この機会にと思いつきでレンチセット、ソケットレンチセット、あと、タイヤレバーを買い揃えました。
そのほかは家にあったものを使うことに。最終的には用意した工具はこんな感じです。
- 金属製タイヤレバー x 3本
- レンチセット(各種サイズ)
- ソケットレンチセット(各種サイズ)
- ドライバーセット(各種サイズ)
- プライヤー
- 電動インフレーター(空気入れ)
- ヘッドライト
- 軍手
- ビニールシート(床汚れ防止)
あと、交換修理用のタイヤとチューブを買おう…と思ったのですが、ここで、いったいどんな型番のものを買ったら良いのか、さっぱり分からない事に気が付きました。
事前準備2:タイヤのサイズと仕様を確認だ
タイヤとチューブには色んな種類・サイズがあるので、まずはここから調べていきます。
最終的には、以下の4点を確認する必要があります。
- タイヤの大きさ(インチ数)
- タイヤの幅
- リム形式
- バルブ形式
まず、タイヤのサイズ・仕様は、通常、タイヤの側面に書かれています。
この機種では「27 x 1 3/8」と書かれていました。「27」がタイヤのインチ数で、「1 3/8」が幅になります。
また、リムの形式判別ですが、タイヤ幅が分数形式で書かれている場合は、W/O(WO)という形式になります。
今回は国内メーカーのママチャリですので、バルブは普通に「英式」です。
ということで、チューブとタイヤを購入。
流石にバルブ形式は間違えないと思いますが、異なるリム形式用のパーツを買わないように注意が必要です。
写真を撮って記録に残しながら作業
世間では、分解よりも組み付けの方が難易度が高い、と言われているので、不安な方は記録を残しながら作業するのが良さそう。
ただ、僕の場合、初めてということで分解こそ不安でしたが、組み付ける時は知ってる道を引き返すだけなので、特に困ることもなく、せっかく撮った写真を見返すこともありませんでした。
とは言え、ブレーキや変速機などの重要パーツを触るわけですから、自信が無い方は写真は撮っておいた方がよいでしょう。
ボルトの締め具合や部品の取り付け位置など、意外と覚えておくべきことは多いです。
後輪タイヤ交換の作業概要
ということで準備が整いました。
この機種の場合、後輪タイヤの交換作業はこんな順序になります。
- 車軸キャップ外し
- キックスタンド外し
- ブレーキワイヤー外し
- チェーン引きを緩める
- 内装変速機ワイヤー外し
- 後輪外し
- タイヤ、チューブ外し
- タイヤ、チューブ取り付け
- 後輪取り付け
- チェーン取り付けとチェーン引きの取り付け
- 内装変速機ワイヤー取り付け
- ブレーキワイヤー取り付け
- タイヤのバランス調整
- ワイヤー類調整
- キックスタンド取り付け
- 車軸キャップ取り付け
この場ですべてを書くのは大変なので、要所要所のポイントだけを書いていきます。
自転車はひっくり返して作業する
プロは作業用の台を持ってるみたいですが、僕らみたいな道具を持っていない輩は、自転車を上下逆さまにして作業するとやりやすかったです。
車軸のキャップとナット
もうのっけから困ったんですが、うちの自転車は車軸に樹脂製のキャップがかぶせてありました。
こいつ、なんとネジ式ではなく、純粋に引っ張って外すだけ。取り付ける際も押し込むだけでした。あー紛らわしい。
取り外すと一番大きなナットが出てきました。
部品の組付け状況をよく観察してからソケットレンチで外します。取付時は逆に締めるだけです。
ブレーキワイヤーの外し方
後輪タイヤ・チューブを交換するには、後輪に付いているブレーキを外す必要があります。
ブレーキワイヤーの外し方は比較的簡単で、まず、ローラーブレーキ側に付いているナットを緩めてワイヤーを取り外します。
次に、フレーム側でブレーキワイヤーを保持しているナットを、2つのレンチを使って外します。
ブレーキワイヤーに関しては、この2箇所の取り付け位置を覚えておくと、組み付け時の調整が非常に楽です。
今回は、ブレーキワイヤーの先端に抜け止めの金属製カバーが付いていましたが、プライヤーで膨らませれば簡単に外すことができました。取り付け時は反対にプライヤーなどで潰してやれば元通りにできます。
内装変速機のワイヤー外しは超曲者(くせもの)
今回修理したのは2010年代に購入したブリジストンのステンレスモデルのママチャリなんですが、こいつに搭載されている内装変速機のワイヤー外しは、ペペっと検索した範囲では情報が出てこなくてかなり難儀しました。正直、ここだけで30分くらい考え込みましたわ…。
が、フタを開けてみれば外し方は思ったより簡単で、
- ハンドル側で変速機を操作してワイヤーを最もたるませる
- 後輪の内装変速機側のワイヤー操作部(黄色いラインが付いているパーツ)を動かしてワイヤーをさらにたるませる
- 後輪の内装変速機側のワイヤーが固定されているナット付きパーツを時計周りに60度くらいねじりながら引き抜く
という感じ。言葉で説明しても分かりにくいので写真でもう一度説明します。
こいつの内装変速機には黄色いラインが2本付いていますが、
この2本のラインが合うようにプライヤーで変速機を動かしてワイヤーを十分にたるませてから、
右手のレンチでワイヤー終端のナットを60度ほどねじりながら引き抜きます。
これで、変速機本体からはワイヤーが外れます。
最後に、ワイヤーカバーを保持している部分を変速機から単純に引き抜けば完了です。
ここまでやれば、あとはチェーン引きを緩めてチェーンを外すだけで後輪のタイヤが外れます。
タイヤとチューブの交換自体はカンタン
色々調べましたが、結局、タイヤとチューブの交換はパナレーサーのチューブの取扱説明書が一番分かりやすかったです。
画像が小さくて見づらいと思いますが、購入した方は商品の裏面を確認してみてください。
タイヤ・チューブの取り付け時は、パンクを避けるために、特に次のことに注意しました。
- タイヤがチューブを噛みこまないようにする。
- チューブがタイヤの中でねじれないようにする。
- バルブがまっすぐに立つようにする。
あと、チューブの取り付け前には軽く空気を入れておくとやりやすかったです。
このあたりにさえ気を付ければ、タイヤとチューブの交換自体は大した作業ではありませんでした。
新品のタイヤになりました。ここで様子を見ながら空気を入れていきます。
あとは、ここまでの手順を逆にたどって組み付けていくだけ。
ただし、組み付け時はこのあたりに特に注意しました。
- チェーン引きに関しては、作業性の絡みで多少順序が前後する可能性がある。
- 後輪とフレームとのクリアランスが左右均等になっているかどうかの確認が必要(チェーン引きで調整)
- 変速機ワイヤーとブレーキワイヤーの調整も必須
特に、ブレーキワイヤーに関しては要注意。ブレーキを掛けたときにワイヤーが滑ると自転車が止まらず、最悪、死ぬハメになります。ちゃんとワイヤーを締めて、ブレーキワイヤーを強めに引いても滑らないことを確認しましょう。
正直、かなりの物好きでなければちょっとオススメできない作業でしたが、たまには物理的な作業をするのも楽しいものでした。
結局、工具を買い揃えたので高く付きましたが、折りたたみ自転車の後輪もそのうち交換したいのに、近所の自転車屋だとタイヤのサイドウォールの色を選べなかったので、今回身につけた技は将来きっと役立つでしょう。
ちなみに、後輪のタイヤ交換を経験すると、「ブレーキワイヤー調整」「変速機のワイヤー調整」の技も多少ですが身に付きます。
厳密には他にも調整する場所はあるんですが、いい機会になるのは間違いありません。
工具とパーツさえ入手できれば災害時でも自力で多少のことはできるようになるので、今回の体験はとても良かったと思います。あと、1回やっちゃうと2回目からは楽そう…。