ジンバル初心者が早く知っておきたかった事まとめ(アクションカメラとの違い、選定基準など)
もともと映像系に興味があるわけでもなく、「まぁ、軽くスマホで動画が撮れればいいかな」くらいの感覚でやらせてもらってる管理人なのですが、なかなか使いこなせなかったスマホ用ジンバルをようやく使えるようになってきた気がするので、苦労した点を自分用のメモも兼ねて書いておきます。
僕が使っているジンバルは DJI Osmo Mobile 2 なのですが、友人が Osmo Pocket とか DJI Ronin-S とかとかを使ってまして、色々と情報共有するなかで、クラスは違えど意外と共通の悩みがあることが分かってきたんですよね。
ということで、ジンバルの購入基準とか選定時の参考に役立てていただければと思います。(ここでは特定の製品のオススメはしません)
ジンバルはバランス調整とキャリブレーションが命
ジンバルは、事前のバランス調整が非常に重要な道具です。
動作がおかしい、とか、ジンバルが唸る、といった症状の多くは、ジンバルに載せたカメラの取り付けバランスが悪かったり、キャリブレーションがずれている事が原因のことが多いように思います。
シャイで恥ずかしがり屋な撮影者としては、ロクに事前の準備もせず、普段は観光気分で楽しみつつ、いいシーンだけをチョロチョロっと撮影しがちなんですが、カメラの取り外しが可能なタイプのジンバルの場合は、事前のバランス調整はもちろん、数回に1度くらいはキャリブレーションしておいた方がいい。そういう意味では Ronin みたく目盛りが付いてるタイプだと取付時の目安にしやすいので便利。
カメラの取り付けバランスが良ければジンバルの消費電力も減るし、異常な動作もかなり減る印象です。
また、使ってるうちに「どうもおかしい」と感じる場合は、再度、バランス調整したりその場でキャリブレーションをすると改善する場合が少なくないです。
ジンバルとアクションカメラは全く別物
とかとかで、色々使ってみて思ったのは「ジンバルとアクションカメラは全く違う」ということ。
特に、撮影時の「手軽さと自由さ」に関してはかなり違う。
アクションカメラだと、ある程度乱雑に扱ってもそこそこの画が撮れたりするんですよね。流石にネックマウントにぶら下げると画が安定しなかったりはしますが、思わずそんなとてつもなく雑な使い方を思い付いてしまう、という程度には手軽です。
一方のジンバルは、事前調整したうえで丁寧に扱う必要がある。Osmo Pocket とかなら事前セッティングは楽なんだけども、結局はジンバルだからジンバルらしい使い方をしないといけない。
例えば、激しい動きに対する追従や、回り込み撮影時の追従などはジンバルはアクションカメラとはかなり違う挙動をしますし、フレーミングに関しても、アクションカメラとジンバルではかなり違いがある。個人的な印象ですが、ジンバルの方が慣れが必要と思ってます。
一方で、画質に関しては僕はジンバルの方が優れていると思ってまして。やっぱり、電子手ぶれ補正方式のアクションカメラは、仕組み上、どうしても画質面で不利になりがち。また、使えるカメラの種類が選べるジンバルの方が、システム全体として画質を追求しやすいわけです。
短い時間の利用が基本?
アクションカメラであればこのようなことは発生しませんが、ジンバルでは、長い直線の道路で一点に向かって歩いていると、ロックモードなのにだんだんと左右のどちらかに振れて来る、といったズレが発生することがあります。
また、これは DJI の安価なジンバルに共通しているのかもですが、Osmo Mobile であれ2であれPocket であれ、左右にターンしているうちに、ロール軸がおかしくなることがあるような。
調整でどうにかなる問題なのかどうかは、僕も確信は持っていないのですが、少なくともDJIの公式見解によると、この症状が出る場合は事前のキャリブレーションやバランス調整が不十分な可能性があるとのことだったので、その手の調整を疑うのが良さそう。
いずれにしても、細かなシーンを繋ぐような映像向きなんじゃないか、というのが、僕と友人の共通見解になります。
上下動の修正は、ジンバル歩きやZ軸補正で
これはアクションカメラでも言えることですが、ジンバルを使えば画が安定する、というものでもなく、結局、普通に歩いていると上下動が気になるようになってきます。
この上下動の緩和には、4軸とか Z-axis と呼ばれる装置を使ったり、または根性論的にはなりますが、通称「ジンバル歩き(Osmo Walk)」とか「ジンバル走り」と言われる歩き方をマスターする必要があるわけです。
中でもジンバル歩きは安価ながら効果絶大。極めればレールを使ったような動画が撮れるようになる、らしい。
僕はまだ Z-axis 的な装置は試してないのですが、アレはわりかし単純な機構なので、なーんとなく使い方にコツが要りそうな予感。
いずれにしても、ジンバルを買ったら全部解決、という風ではなく、そこから勉強したり、追加で道具が欲しくなるのは覚悟した方がいい。
ジンバルとカメラの連携は大事
ジンバルを使っていると、そのうちにグリップからカメラをコントロールしたくなってくるわけですが、たとえば、Osmo Mobile 2+iPhone とか、Ronin-S+GH5 の組み合わせだとグリップから使える機能でも、他の組み合わせだと使えない、なんてことはあったりします。
未経験だと、このあたりはなかなか事前に思いが巡らなかったりするわけですが、ズームやピントの調整だけでなく、グリップ側のジョイスティックの感度調整の幅なんかも含め、画作りにも通じてくる部分なので、選定時にはぜひ確認しておきたい内容です。
この他にも、ジンバルの搭載重量に余裕を持っておくとか、ジンバル選びには色々とノウハウが必要です。
でも楽しいっすね
ジンバルの良いところは、カメラの画質を活かしつつ、後付けで手ぶれ補正を追加できるところ。
今回の書き方だと「慣れが必要」ってことで、ちょっとネガティブな捉え方をされてしまいそうですが、基本的には非日常的な画が撮れるので、とても楽しい道具であることに間違いはありません。
以前からちょくちょく書いているとおり、個人的には最近の Galaxy の手ぶれ補正はヤバいと思ってまして。僕みたいなウルトラライトユーザーだと、もう、わざわざ電子手ぶれ補正式のアクションカメラを追加で買う理由って、あのサイズ感とかマウントの都合、あとは耐衝撃性くらいしか思いつかない状況だったりする気がするんですよね。
日常使いのスマホを撮影用カメラとしても使うと、兼用になって面倒、と言うなら、別に撮影専用にスマホを追加で1台買っちゃえばいいかな、くらいまで思っています。
MTBに乗ったり最近はスノーボードしたりするわけでもありませんから、機材も何も持っていない時の手持ちの動画撮影だったら、もうスマホ1台でいいんじゃないか、という気もするわけです。
ウルトラライトユーザーじゃなければ、もっと良いもの揃えたくなるんでしょうけども、とりあえず、実利実用主義の庶民ですので。忙しいから道具買ってもロクに使えない気がするってのもあるんですが…。