GoProのジャイロデータ利用で高精度に動画を手ブレ補正できる「ReelSteady GO」

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最近、ポストプロダクションでの動画の手ぶれ補正機能を色々と調べたり試したりしているのですが、結局、行き着く先は、

「カメラ側で記録した加速度データなどを元に、PCやワークステーションのリッチな計算機資源を使って手ぶれ補正をかける」

ってのが結論なんじゃないかとようやく気が付きまして。で、よくよく調べたら、そんなソフト「ReelSteady GO」があったよー、という話題です。

ReelSteady と言えば Adobe After Effects 用の手ぶれ補正プラグインが思い浮かぶわけですが、それの GoPro 専用スタンドアロン版アプリが「ReelSteady GO」。

価格は 99 USドルで、無料のトライアル版も用意されています。

対応機種は GoPro Hero 7 Black、Hero 6、Hero 5、Session 5。

一般的な(ポストプロダクション向けの)手ぶれ補正は画像解析によりブレの除去を試みるわけですが、「ReelSteady GO」では GoPro で撮影した動画データに含まれるフレーム単位での加速度データも活用することで、GoPro の HyperSmooth を越える品質での手ぶれ補正を狙っている、というワケ。

詳しくは、こちらの動画をご確認ください。

ReelSteady GO - YouTube

あと、公式サイトのこのページの動画サンプルの数々も参考になるかも。

これは原理的にはまさに僕が望んだ手ぶれ補正アプリなわけです。

もちろん、開発元が狙ったように本当に HyperSmooth を超えているかどうかは検証が必要になってくるわけですが、GoPro サイズのバッテリーでできる演算なんて限度がありますからね。

カメラは必要なデータだけ記録してくれれば、後はパワフルなマシンで処理するよ、って方が理には適ってるわけです。

ちなみに、電子手ぶれ補正処理ってのはかなり奥が深くてですね、多分、車のサスペンションの設計・調整に関わったことがある方なら分かると思うんですが、とにかくパラメーターが多い。中には補正の効きの強さとクロップ率みたくバーターになる要素も少なくありませんし、パンや回り込みへの自然な追従など、難題も山積。まさに設計のセンスが問われる分野だったりします。

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そんな中、ReelSteady GO ではスムースネスやジャイロ同期度の調整、クロップ領域の確認やクロップ(ズーム)速度の設定などの多少のパラメーター調整が可能。また、アクションカメラやジンバル撮影ではよくお世話になる水平調整も自動のみですができる、ということでなかなか使えそう。

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また、(機能的には異なりますが)AE のプラグイン版が399USドルなのに対して、こちらは99USドルということで、価格の面でも手軽に使える手ぶれ補正アプリと思います。

もっとも動画の場合、細かいことを言えば各フレームに自然なブレ感があった方がスムーズな動画に見えるからシャッタースピードも大事、とかとか色んな要素があるので、実際にはカメラ制御へのフィードバックもあった方がいいのかな、とかとか思う所が無いわけでもないのですが、そんなこと言ってたら GoPro なんて使わないですもんね。

驚いたのは、意外にもサンプル動画に屋内の映像があったこと。晴天時+NDフィルター無しみたくシャッタースピードが十分に速い環境でなくても、パッと見、キレイに補正出来ているように見えたので、道具の1つとして持っていても良さそうに思います。そりゃまぁジンバルの方が画質は上なんだろうけどね。

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