【アフレコ】DaVinci ResolveはASIOドライバに非対応。USB I/F選定には注意
今日は、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」で、あまり知られていない落とし穴、
「Windows 環境だと USB オーディオインターフェイスとの相性問題が出やすい」
という話をさせていただきます。
Windows 版 DaVinci Resolve の FairLight ページでは、これのせいでアフレコ・アテレコに使える機材が限られてくる、という問題を抱えているのです。
DaVinci ResolveはASIOに非対応
「Windows 版 DaVinci Resolve が ASIO ドライバに非対応」と聞けば、Windows のオーディオ周りに詳しい方ほど驚かれるのではないでしょうか。
というのも、Windows で利用可能な USB オーディオインターフェイスの多くは、実質的に各機種用の ASIO ドライバを必要とするケースがほとんどだからです。
USB クラスコンプライアント(以下、USB CC)なオーディオインターフェースも存在してはいるものの、実際に usbaudio2.sys などの Windows 標準ドライバで使おうとすると、ノイズ・音切れ・ディレイなどの問題が発生したり、そもそも、USB CC 機能自体が iOS デバイスでの利用を前提としたものであったりして、Windows 標準ドライバでは認識すらされない、などの問題に遭遇することとなるのです。
ちなみに、ASIOドライバで動くオーディオインターフェースを無理やり Windows 版 DaVinci Resolve で使った場合、録音した音声が途切れたり、水中で話しているような変なエフェクトが掛かったり、また、音声が細かく何度もループしたりと、様々な症状に悩まされるハメになります。
経験上、これらの症状は ASIO のバッファサイズなどの設定を調整しても完全には解決されないと思っていまして。
運が良い方なら、苦労なしに DaVinci Resolve でもアテレコが使えているケースは少なくないとは思いますが、実はこういった問題が潜んでいるのです。
対策は?
では、 Windows 版 DaVinici Resolve の FairLight ページで外部オーディオを高音質で入力するには、どんな方法があるでしょうか。
ここでは具体的な策をいくつか挙げておきます。
1.ASIO以外のドライバモデルに対応したUSB I/Fを探す
アテレコ程度なら、まずは ASIO 以外のドライバモデルに対応した USB オーディオインターフェイスを探す、という方法があります。
僕の知る範囲では、Steinberg の「UR22C」がこれに該当する USB I/F 製品です。
UR22C は ASIO だけでなく、WDM、CC の3つのモードに対応し、自動判別によりモードが自動で切り替わります。
このうち DaVinci で使えるのは WDM のみ。CC は Windows では動作不可です。
つなげばすぐに動く、という風ではありませんし、PC や接続方法との相性問題もあるかもなので、確実な動作を保証するものではありませんが、少なくとも手元の環境では、適切な設定を入れれば少なくとも録音だけは使える機種、ということで挙げさせていただきます。
2.ドライバインストール不要なUSBマイクを探す
キャノン端子のマイクにこだわらないなら、ドライバインストール不要で Windows で使える USB マイクを探す、というのもお手軽な方法の1つです。
具体的な製品としては、マランツの「MPM-2000U」が挙げられます。
この手の製品は他にも少なくありません。探してみると良いでしょう。
ライトユーザーには、この方法がオススメになります。
3.Blackmagic Design製品を購入する
DaVinci Resolve(以下DR)の開発元である Blackmagic Design(以下BMD) は、ソフトだけでなく様々な映像・音声製作用のハードも開発しています。したがって、BMD 製のハードウェア購入というのも解決策の1つです。
具体的な製品名としては、同社のスイッチャー「ATEM Mini」シリーズでも収録・録音が可能です。
ただし、ATEM Mini のアナログ音声入力はステレオミニジャックですので、XLR端子(キャノン端子)のマイクなどは変換が必要になります。ノイズ・音質などの問題から許容できない方もいるかもしれません。
他にも、同社製のオーディオインターフェース「Fairlight Audio Interface」があります。これは本来は一番最初に紹介すべき鉄板構成とも言えます。MADI 接続に関する知識をお持ちの方なら良いかもですが、初心者には、価格だけでなく敷居がかなり高い構成といえます。
他にも、「UltraStudio 4K Mini」にもXLR端子があり音声入力できると聞いたことがありますが、どうやら映像ソースがないと音が入らないようだ、という情報も耳にしたことがあります。この辺りの詳細は不明です。
オススメの方法は?
アマチュア用途でレイテンシーを気にしないなら「1」「2」の方法、つまり、ASIO以外のドライバモデルや Windows 標準ドライバで動く何らかの音声入力方法を探す、というのが現実的といえるでしょう。
特に、ドライバインストールが不要な USB マイクはかなり敷居が低く、USB ポートに挿して、OS 上から適切なサンプリング周波数さえ設定すれば、DR から普通に使えるケースは少なくありません。
一方、USB オーディオインターフェイスの場合は、先ほども触れたとおり、Windows では ASIO が実質的な標準となっているため、DaVinci Resolve との相性問題が噴出するケースが少なくありません。
先の UR22C でも、互換性重視の設定にして初めて DaVinci Resolve から使える形で、それでも、PC の負荷によっては音切れが発生しましたので、皆さんの環境でも色々と苦労する可能性はあります。
ちなみに Mac の場合は CoreAudio が使えるので、ここまでの問題は発生しないと聞きます。ただし、M1 MacBook+DR17.1 だと音声収録がおかしくなる、とのユーザー情報はあります。
そちらは内蔵マイクでも再現するとのことなので、別の問題かもしれませんが。
情報をお寄せください
ということで、現時点での私の手持ちの情報は以上となります。
ここからは他力本願にはなりますが、Windows 版 DaVinci Resolve で安定して使える製品名をご存知の方は、Twitter のメンションかコメントで情報をお寄せいただけると大変助かります。
頂いた情報は、ありがたく当記事に反映させていただく、かもしれません。
なんとなーく、RME のオーディオインターフェイスとかもいけそうな予感はしているのですが…。
あと、この件は YouTube チャンネルでも触れるかもなので、気になる方はチャンネル登録しておいてください。
(※ 最近、レンズを落として割ったり、書斎の模様替えをしたり、年末の予算執行などでバタバタしてまして、動画更新してませんでしたが、もうちょっとしたら再起動できるかと思います。)
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