【Xiaomi 11T Pro】動画の画質設定と手ブレ補正の制限の関係をまとめる
Xiaomi 初の日本向けフラッグシップスマホ「Xiaomi 11T Pro」で、動画撮影時、手ブレ補正や HDR が使える画質の上限・制限について、表の形でまとめておきます。
めちゃくちゃ強力な手ブレ補正が 4K60p でも効く、というだけでなく、ポストプロダクションでのカラーグレーディングの余地がある HDR10+ での 10bit 記録もできる、ということで、価格の割に非常に面白い機種だと思います。
前提
文中の「HDR」はカメラアプリの画面の上の方にある「HDR」設定、また、「HDR10+」はカメラの設定内の「HDR10+」の設定を表しています。
Xiaomi 11T Pro では、「HDR」を ON にした場合は一般的な Rec.709 で、「HDR10+」をONにして撮影すると Rec.2020(PQ)で動画が記録されます。
つまり、Xiaomi 11T Pro では「HDR」「HDR10+」という言葉を以下のような意味で使っているようです。
- HDR:ダイナミックレンジに配慮した記録。ただし、従来のディスプレイで再生できる。なんちゃってHDR。4:2:0 8bit 記録
- HDR10+:HDR10+対応機器での再生を前提とした記録方式。本物のHDR。4:2:0 10bit 記録
HDR と HDR10+ の併用時の挙動は不明ですが、恐らくは記録方式は HDR10+(Rec.2020 PQ)で、かつ、ダイナミックレンジにも配慮される、ということと推測します。
各画質モードごとの撮影可否と手ブレ補正利用可否
表に出てくる記号の意味は以下のとおり。
<凡例>
「-」:撮影不可
「△」:手ブレ補正なしで撮影可
「◯」:手ブレ補正付きで撮影可
広角レンズ(メインレンズ)
アウトカメラの1倍以上で使えるメインレンズについて、動画の解像度・フレームレート設定と手ブレ補正の関係は以下のとおりになります。
非HDR (Rec.709) | HDR (Rec.709) | HDR10+ (Rec.2020 PQ) | |
---|---|---|---|
720p 30fps | ◯ | ◯ | - |
1080p 30fps | ◯ | ◯ | - |
1080p 60fps | ◯ | - | - |
4K 30fps | ◯ | ◯ | HDR併用時:△ HDR10+単体利用時:◯ |
4K 60fps | ◯ | - | ◯ |
8K 30fps | △ | - | △(HDR10) |
まとめるとこんな感じ。
- 4K60pでも強力な手ブレ補正が使える。さらに HDR10+ も併用できて強い
- 手ブレ補正が使えないのは 8K か、4K30fps でややこしい設定をした場合のみ
- HDR(Rec.709)が使えるのは 30fps のみ。60fps では使えない
- 撮影画面から直接設定できる「HDR」と設定内の「HDR10+」が具体的に何を指しているのかは不明。4K / 8K では標準で HDR
超広角レンズ
倍率1倍未満で切り替わる超広角レンズでは、以下の2つの画質設定のみ使用できます。
- 720p 30fps
- 1080p 30fps
いずれのモードでも手ブレ補正が可能となっています。
テレマクロレンズ(スーパーマクロ)
スーパーマクロモードを ON にした場合は、以下の2つの画質設定のみ使用できます。
- 720p 30fps
- 1080p 30fps
スーパーマクロモードでは手ブレ補正は使えません。
接写時の手ブレ補正は不自然になりがちですので、これはこういうモノだと思っておいたほうが良さそうです。
インカメラ(自撮り用カメラ)
インカメラでは3つの解像度・フレームレートのみが選択できます。
非HDR (Rec.709) | HDR (Rec.709) | HDR10+ (Rec.2020 PQ) | |
---|---|---|---|
720p 30fps | ◯ | ◯ | - |
1080p 30fps | ◯ | △ | - |
1080p 60fps | ◯ | - | - |
インカメラでは HDR10+ は使えません。また、4K・8K での撮影もできません。
HDR(Rec.709)も 1080p 60fps では使えず、1080p 30fps では手ブレ補正とは併用できません。
インカメラの機能はかなり限られていると言っていいでしょう。