Androidの画面をパソコンにミラーリング・操作できる「scrcpy」【Windows・Mac・Linux】
Android の画面をパソコンに表示&操作できるミラーリングアプリ「scrcpy」を紹介しておきます。
ゲームや業務など、Android スマホと PC・Mac を交互に触る方には大変便利なアプリで、応用すればスマホの画面を Zoom の画面共有で映す、なんてこともできます。
「scrsndcpy」というアプリや、「Wakuoo(ワークル)」という Android エミュレーターの「Wakuoo Mirror」という機能でもミラーリングはできますが、それらが動作しない場合は、まずは使い方がシンプルな「scrcpy」を試すのがオススメです。
「scrcpy」の特徴と出来ないこと
画面転送・操作アプリ「scrcpy」の特徴・強みは以下のとおり。
- root 不要
- 低遅延、高速、軽量、高画質
- Android 側への手動でのアプリインストール不要
- HID / USB OTG 対応
- Windows / Mac / Linux 対応
特に、(少なくとも USB 接続時の)低遅延ぶりは優秀で、感触的には数フレーム程度@60fps。
古い資料ですが、設計としても 35~70ms 程度のレイテンシを狙っているとの事で、端から低遅延を意識したアプリであることが分かります。
実用上、ゴリゴリの FPS などアクション性のあるゲームアプリは流石に無理がありますが、一般的なアプリであれば、少なくとも遅延が問題になることはほぼ無い水準。
むしろ、遅延よりも、タッチパネルでなくマウス操作であることが問題になるくらいです。
ということで夢が膨らむ「scrcpy」ですが、出来ないこともあります。
- 「scrcpy」単体で Android の音声を PC へ送信(別経路にて可)
- 「scrcpy」単体でのスクリーンショット、録画、配信(別アプリで可)
とはいえ、音に関しては諦めてスマホ本体から鳴らす、であるとか、何らかの別経路で飛ばすといった回避策があるので、個人的にはあまり問題でもなく。
また、スクリーンショットや配信に関しても、スクショは Android 側で撮るなり、配信なら PC 側の別アプリを使えば良いだけなので、こちらも問題とは感じません。
「scrcpy」のダウンロード
「scrcpy」のダウンロードは GitHub から。
Windows の場合、scrcpy-win64-v1.24.zip(2022年6月現在)のバイナリが利用可能です。
ここでは Windows を想定した手順を紹介しますが、Mac / Linux 版も上のリンク先から入手できます。
事前準備と使い方
「scrcpy」を使うには、まず、PC と Android を ADB 接続できる状態にしておく必要があります。
これには、以下の設定が必要です。
- Android の「開発者向けオプション」を有効化する
- Android の「開発者向けオプション」→「USBデバッグ」機能を ON にする
- Windows の場合は ADB ドライバをインストールし、Android と ADB 接続できる状態にしておく
使い方は簡単で、Android と PC を ADB 接続(USB / Wi-Fi)し、scrcpy.exe を実行すれば、こんな感じで PC から Android を直接操作できるように。
ゲームアプリなどの横長画面では、PC 上の表示もちゃんと横長になってくれます。
低遅延のため、カメラアプリのプレビューとしても、まぁ、使える印象。
PC 側でウィンドウを閉じれば切断できます。
また、手元の環境では USB ケーブルを引っこ抜いて終了しても、特に問題はありませんでした。
「scrcpy」で Android と接続できない、画面が出ない場合は、PC から Android へ adb shell
できるか確認しましょう。基本的には同じトラブルシュート方法になります。
起動時オプション、ショートカットキー、クリップボード連携、ファイル転送も便利
起動時オプションを指定すればウィンドウサイズの設定や、PC のマウス・キーボードを Android に直接接続している状態とする OTG モードも利用可能。
また、キーボードショートカットを使えば、ピンチイン・ピンチアウトも使えますし、クリップボードを PC → Android へコピーアンドペーストも可。(※ Android 側でクリップボードへコピーした内容は、自動的に PC 側のクリップボードへも同期されます)
キーボードショートカット、マウス操作の使い方は、以下のリンク先から確認できます。
ドラッグ・アンド・ドロップで Android へのファイル転送も可能。APK ファイルを転送すればインストールできるというのも便利な機能です。
ADB接続だけでPCに画面を送れる「scrcpy」
PC / Mac から Android を見れる・触れるアプリ、ということで、記事としては以上になりますが、「scrcpy」が ADB 接続だけでどのようにして Android の画面を PC へ転送しているのか、興味がある方には以下の記事が参考になります。
これによれば、PC から adb shell
で Android 側のテンポラリディレクトリへアプリを転送 → 起動 → 経路を作る、という感じのご様子。
聞いてみれば「あー、なるほどね」とは思いますが、手軽さを実現するための執念めいたものも感じたり。
アプリ開発だけでなく、PC 版・スマホ版が両方あるゲームでログインしなおして複数端末を行き来するのが面倒、といった場合にも大変便利な「scrcpy」。
生産性ツールの1つとして、活用すると良いかもしれません。
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