Imaging Edge Desktopの「Remote」でα7シリーズが検出されなかったので対処した話【テザー撮影】
Sony のカメラ用 PC アプリ「Imaging Edge Desktop」の「Remote」で、特定の Windows 11 PC でだけ α7 を検出できない症状が出ていたので、戦いの軌跡をメモ。
具体的にはこういうエラーメッセージが出ていました。
「カメラが未接続です。USB またはネットワーク接続を確認してください。」
有線 LAN 接続のデスクトップ PC での症状ですが、無線 LAN の方でも参考になるかも。
「カメラ側はWi-Fi」+「PC側は有線LAN」でテザー撮影したい
今回のテザー撮影の接続形態は以下の通り。
- カメラ → Wi-Fi アクセスポイント → 有線LAN → PC
これは、ソニー公式サイトには書かれていないトポロジーにはなりますが、
結論から言うと、この形態でもアプリ「Remote」での接続とテザー撮影は可能でした。
冒頭のエラーの原因は、この PC に仮想化アプリ「VMware」の仮想 NIC があったせい。細かな原因追求まではしていませんが、まぁ、大方、ルーティングテーブルがソニー謹製アプリの想定外となっていたのでしょう。
となれば、具体的な対処方法は単純。
旧コントロールパネル →「ネットワークとインターネット」→「ネットワーク接続」画面から、NIC を有線 LAN 以外全部無効化して、
同画面で、有線LAN の NIC のプロパティから「VMware Bridge Protocol」も無効化。
その後、カメラ側で「PCリモート」を切&入して、PC の「Remote」アプリを再起動すると。。。出た!
そして繋がった!という流れ。
一見、単純な話に見えますが、ここに到るまでには久しぶりに ARP コマンドを叩くなど、紆余曲折を経てはいます。
似た症状でお悩みの方は、とりあえず PC から arp -a
コマンドを叩いてカメラの MAC アドレスが見えるかどうか、が、まずは切り分けポイントの1つとなるでしょう。
そして色々触った結果、どうやらこのカメラ(α7 IV)、同一サブネット内でブロードキャストが届く範囲にいれば、「Remote」アプリでテザー撮影ができそうな予感。
つまりは同一 SSID の Wi-Fi AP に接続している必要もないし、PC 側が有線 LAN でも動作する、ということです。
また、オカルトかもだけど、以下を意識するとうまくいく気がしました。
- Windows 11 の新 GUI スタイルの「設定」→「ネットワークとインターネット」→「ネットワークの詳細設定」画面と、旧コントロールパネルの「ネットワーク接続」ウィンドウは同時に開かないこと。(理由は不明も、そりゃあうまく動かない気がする)
- PC のネットワーク設定の変更後、カメラの「PCリモート」を切&入 → PC の「Remote」アプリを再起動する
さらに、今回は相当なレアケースで、以下記事のとおり、このデスクトップ PC の有線 LAN が一部断線しており、
その際は「Remote」アプリで何度も「更新」ボタンを押さないとカメラが検出されなかったり、一度検出されても、またしばらく検出されなくなる、という謎症状にも悩まされていました。
厳密な検証はしていませんが、症状からは、ブロードキャストパケットがある確率でロストしていた予感がします。いずれにせよ、有線LAN・無線LANにかぎらず、IP 通信のリンクが健全であることも1つのポイントとなりそうです。
今回は正攻法で問題解決に至りましたが、問題切り分けの観点からは、有線 LAN でなく、PC に Wi-Fi 子機を挿して Wi-Fi Direct や Wi-Fi アクセスポイント経由で接続してみる手もありそうです。
2022年もお世話になりました
ということで本記事をもって、2022年の更新作業は終了とさせていただきます。
今年もこうして恙無く新年を迎えられますのも、ひとえに読者の皆様のおかげと心より厚く御礼申し上げます。
さて、2022年は当サイトにとって、初心に帰って作業ワークフローを見直す年となりました。
今年、広告案件ではないものの、製造・流通に携わる方々の、商品に対する並々ならぬ熱い思いに触れる機会に恵まれ、「そんなに思い入れのある商品なら、テキトーには扱いづらい」との配慮から、サイト運営15年目にしてようやく、自分の写真周りのスキル不足を補う必要性を感じたのです。
特に、写真撮影~公開までのワークフローはほぼ全工程を見直し、解像感と高輝度部分の色再現性にこだわるなど、撮って出しだった頃と比べて大きな進歩を遂げることができたと思います。
この辺りのワークフロー改善にあたっては、過去の動画編集におけるカラーグレーディングの知識も活きており、今回、写真で得たノウハウを、いずれまた逆に動画へもフィードバックしたい、とも考えておるところです。
最近は多忙で写真を多用するレビュー記事を書いておらず、活かせる機会が少ないのはいささか残念ではありますが、いずれにせよ、写真・映像に関しては課題もまだまだ少なくありません。より研鑽を重ねるとともに、努力でなくワークフローで品質を確保し、生産性も損なわない方向を意識したい所存です。(それが故に失敗した写真も容赦なく公開するとは思いますが)
さらに、2022年後半からは、平日、毎日の新記事公開にはこだわらない運用ルールへと変更したのも大きな挑戦でした。
こちらの背景には、時代の流れとともに過去記事の内容の正確性に問題が出てきていた事や、また同時に、自分の生活の裁量も増やしたい、との思いがあり、時間捻出の目的からこのような運びとなったわけです。
結果、この施策のおかげで過去記事のリライトのみならず、生活・作業環境の改善、知識のアップデートなどが進み、皆様にも記事の質という形で還元できそうだ、と喜んでおります。
さて、2022年は AI を活用した音楽・映像・文章の自動生成が大衆化した年であり、その完成度の高さから、いわゆる「クリエイターエコノミー」への悪影響を危惧する声を耳にするようになった年でもあります。
私が少なくとも日・英の範囲を観測している限り、AI はずいぶんと流暢な文章をひり出すようになったものだと感心する一方、そこに書かれた内容の正確性、および公開可否の判断に関しては依然として人間が関与する必要があるなど、「これを知性と呼ぶにはまだ早いのではないか」と感じる部分はまだまだ残る状況ではあります。
持論ですが、私に言わせれば文章とは思考のシリアライズ(直列化)であり、文章の背後にある「思考の質」が問題となるような文章の幹での AI 活用には難儀しそうだ、との感触を抱いています。実際、私だけでなく周囲の意見としても、「(音楽や画像と比べて)AI にとっては意外と文章の生成が難しいようだ」との印象を持つ者は少なからずいるのです。
とはいえ、記事の導入部や結び、アウトライン生成を中心に、生産性ツールやアイディアツールとしての利活用はできそうなクオリティにはなりつつあり、そういう意味では、(不幸にも)共感が得られそうな言い回しを高い生産性で生み出し続けなければならない、いわゆる「読み捨てられる文章」の作成用途への広範な適用はわりと早そうだ、とは感じるところです。
(※ 余談ですが、この辺りに関連して無料の紙媒体は本当にひどく、各店舗から広告料をもらい受けた上で「絶品」だの「贅沢な~」だのと事実と反する言い回しで宣伝しつつ、広告とそれ以外とが一切判別できない悪質な紙面が珍しくありません。せめて、各広告枠ごとに「広告」「AD」の一言くらい書けば良いのに、とは思うわけですが。そういった「読み捨てられる無責任な文章」と現状の AI との親和性は高そうだ、とは思う所です。)
対人可読・機械可読を問わず、この世はすでに大量の文章、データ、プログラム、法などによって記述・記録・構成されています。肝要なのは、その中で AI による成果物に取って代わられる部分、あるいは AI が利活用される部分がどこであるのかを、各個、具体的にイメージすることなのかな、とは思います。
計算機科学の進展に伴い、実世界におけるアプリケーションの適用領域は拡大を続けてきました。その拡大は、現実のリソース制約に阻まれない限り、留まることはないでしょう。そういう意味では、「AI による記述」の適用領域も拡大し続けることとなるはずです。
我々は、言葉を通じて、その背後にある「意思」「思考」「思想」までもを少なからず見通しています。
私は、少なくとも「読み捨てられない文章」には、コンピュータでいうプログラムや「設定ファイル」が持つ機能や目的に似た「意志」が与えられている場合が少なくないと捉えています。
当面は、背後に人間の「意思」がある AI 生成文章を目にする機会が中心となりましょうが、究極的に言えば AI が将来、自らの思考に基づいて自然言語を記述できるようになるならば、何らかのプログラムだって記述できるようになるはずです。
私は、AI はその認知・学習・演算能力が人間の知能を越えることよりも、AI が自らを記述・構成できるようになり、さらにそれを改善できるだけの知性を持ったときに、真のシンギュラリティが訪れるのではないか、と考えています。
どんな挨拶やねん。来年も当サイトと管理人をどうぞよろしくお願い。。。できるのか?