※この記事はアフィリエイト広告を含みます。

ミニPC「GEEKOM GT1 Mega」をゲーミングPC化!eGPU Boxを常用している話とベンチマーク結果

 2024年11月15日

GEEKOMさんからご提供いただき、すっかりリビング用PCとして活躍しているミニPC「GT1 Mega」。

第14世代Core Ultra 9 185H搭載ということで流石に速いわけですが、家族がリビングでも「龍が如く8」をプレイしたい!と言い始めたからさぁ大変。

内蔵GPU「Intel Arcグラフィックス」の性能はAMD並まで上がったとはいえ、最新PCゲームはさすがに重く、60FPSだとフルHD+Intel XeSS有効化あたりが精一杯。内部レンダリングは720p相当かそれよりちょっと上かなー、という感じ。大画面だと主人公「春日一番」の髪型など複雑な造形の粗が目立つわけです。

とはいえ、リビングのテレビボードの限られた収納にはフルサイズのゲーミングPC設置は難しい。ならばと、ミニPCにeGPU Boxを繋げてみることにしました。

(※GT1 Mega自体は過去にご提供いただいたものなのでPR扱いになるかと思いますが、この記事は個人的な興味で自発的に執筆したものです。)

eGPU BOXってド安定で動くのね。ビックリ

今でこそ一般化したeGPU BOXですが、頭の堅い私は「PCIeをブリッジしてThunderboltケーブルで延長する」という構成を見て、「安定性に問題が出そうだ」「イロモノ」と感じて避けていたんですね。

ですが!

これがめちゃくちゃ安定して動く!

退役してその辺に転がってた「RTX2070 Super」+eGPU Box「Razer core X」に長さ2mのThunderbolt 4ケーブルという構成で使っているのですが、NVIDIAのドライバを入れて接続するだけで拍子抜けするくらいスルっと動いたし、その後もWindowsが落ちない。

流石に4K出力するとは固まることはありましたが、2560x1440程度の出力なら週間単位で使っていて安定性の問題を感じたことが皆無なんですよね。

ベンチマーク結果

というわけで、「GEEKOM GT1 Mega」+「Razer core X」+「PALIT GeForce RTX 2070 SUPER JS」でのベンチマーク結果と、内蔵GPU「Intel Arcグラフィックス」とのベンチマーク比較を載せておきます。

全体的に内蔵GPUに比べて約3倍の性能アップとなるケースが多い印象でした。

FF15ベンチ ver 1.3(1920x1080)

eGPU BOX
(RTX 2070 SUPER)
内蔵GPU
(Intel Arc Graphics)
軽量品質158115510
標準品質124604199
高品質89332991

FF15ベンチ ver 1.3(2560x1440)

eGPU BOX
(RTX 2070 SUPER)
内蔵GPU
(Intel Arc Graphics)
軽量品質116213701
標準品質88882728
高品質68202122

3DMark

eGPU BOX
(RTX 2070 SUPER)
内蔵GPU
(Intel Arc Graphics)
Steel Nomad Light98213175
Steel Nomad2463781
Time Spy96814089
Time Spy Extreme47471927

Cinebench 2024.1.0(参考用)

eGPU BOX
(RTX 2070 SUPER)
内蔵GPU
(Intel Arc Graphics)
GPU5769-
Multi Core-923
Single Core-108
※「GPU」は内蔵GPUでは計測不可。eGPU BOX接続時のCPUスコア計測は未実施。

グラボのeGPU BOX化による性能劣化はどれくらい?

RTX 2070 SUPERのeGPU BOX化による性能劣化についてですが、デスクトップPC+RTX 2070 SUPERでの計測結果との傾向の違いだけを書くと、eGPU BOX環境では高画質設定になるほど性能向上しづらくなる傾向がみられました。

具体的な数字となると厳密な比較検証ができないため感覚値になってしまい恐縮ですが、低画質設定で約9%~高画質設定で約20%程度の性能劣化があるように感じます。

今回のeGPU BOX「Razer Core X」のスロットはPCIe 3.0 x4レーン(約4GB/s)対応。一般的なPCIe 4.0 x16(約32GB/s)、5.0 x16(約64GB/s)などと比べると帯域面で明らかに劣ります。

RTX 2070 SUPERであればCore Ultra 9 185HでCPUパワー不足とは考えづらいので、高画質化に伴う性能劣化はPCIe Gen 3やThunderbolt接続の帯域幅の制約によるところが大きいのではないか、とは感じるところです。

eGPUのOCuLink/CopprLink接続が当たり前になる?

今回は旧世代GPUということで高画質設定は使いませんから深刻な性能劣化もなかったわけですが、先の「Thunderboltの帯域幅がボトルネックとなる問題」は4Kゲーミングなどの高画質設定ではかなり顕在化してきます。今後発売されるRTX 5000世代まで見据えると、高価なGPUの性能をより活かしたいというニーズは今まで以上に高まりそうです。

Thunderboltの利点は2mクラスの長尺ケーブルで引き回せることであり、今後も引き続きThunderboltが選択されるシーンはあろうかとは思いますが、(ケーブルが極端に短くても良いから)性能を追い求める用途では、OCuLinkのような「PCIeをそのまま引き回す系の規格」がより求められるようになるでしょう。

すでにサーバー用途ではGPGPU製品のPCIe 5.0対応に伴いOCuLinkでも要件不足となるケースが出てきており、後継規格「CopprLink」が策定されるなど次が見えてきている情勢です。

このようにGPU接続方式の柔軟化は時代の趨勢であり、「GPUといえば、まるでレトロゲームのカセットのようにPCIeスロットにガシャンと挿す」時代の終焉は意外と早くに訪れるのかもしれません。

Hatena Pocket Line

コメントを記入