新B-CASカード配布でB-CAS騒動は収まるか?

 2024年8月9日

有料放送事業の根幹を揺るがす騒ぎにまで発展した、2012年の年初からのB-CAS騒動ですが、放送事業者側の対策として新B-CASカード400万枚の配布が検討されている。との報道がなされています。

B-CAS騒動の流れ

年初からのB-CAS騒動の流れはこんな感じ。

  • 有料放送を「タダ見」出来てしまうBLACK CASカードが登場
    【BLACKCAS】公式サイト
  • 普通のB-CASカードを不正改造しBLACK CAS化する手順が公開
  • B-CASをエミュレートするsoftcasが公開
  • 不正改造B-CASカードの販売や、改造方法公開などで逮捕者続出
  • 有料放送事業者が新B-CASカード400万枚を配布検討 ← NEW

という感じ。

有料放送がタダ見されてしまう。という事で、有料放送事業者や B-CAS 側の対応に注目が集まっていましたが、騒動から数ヶ月を経てようやく具体的な対応策が出てきた形です。

WOWOW・スカパーe2の契約全数が対象?

(現時点では詳細不明で、この部分は将来記事を更新するかもしれませんが)報道されている400万枚という数字から推測するに、恐らくは、WOWOWスカパー!e2の正規加入者全員に新カードを配布し、移行期間を経た後に旧カードを利用不可とする。という話しになる予感がします。

現時点では NHK-BS の対応は聞こえてきていませんが、契約者数が多いこともあって同様の対策にはかなりの予算が要りそうです。

これで色々前例ができるよね

今回の騒動は B-CAS カード側のバックドアが原因であって、B-CAS のシステム全てが丸裸になったわけではない。との事なので、それで対策版B-CASカードの配布。という流れを検討しているのでしょう。

ただ、技術的なものですので、イタチごっこになる予感もしなくはありません。

とりあえず、今回の騒動が収まってひととおりの被害額やら刑法的な前例やらが出来上がれば、またクラックされたとしても、請求される金額とか刑法上のリスクとか、そういうものがハッキリしますんで、人々の動きもそれなりに変わる気はします。

ただ、それは、表には出づらくなる。というだけで、地下に潜りやすくなる。という話しなのかもしれませんが。

狙われるのには理由がある

例えば、アノニマスに狙われる組織がある一定の「方向性」を持っている組織に集中している事とかを見てもそう思うのですが、知財とか囲い込みってのは思想同士が激しくぶつかりやすい領域ではありまして、そもそも B-CAS が無料放送にまで適用されている。などなどのせいで、その手の人達から愛されていない。という事も、解析欲の背景としてはあると思うんですね。

そういう意味では、この機会に B-CAS カードによる無料放送のスクランブルは解除したらいいんじゃないか。という気もしなくはありませんが、これだけ注目を集めてしまった後では今さら。という気もしたりしなかったり。

そんなこんなで4K2Kへの移行を急いでそのタイミングで新しいシステムに乗り換えよう。なんて事を考えると、タダでさえ人から遠くなったテレビがさらに遠くに感じられるようになっちゃったりしてね。とかいう妄想全開になってきたので、そろそろ筆を置くことにしましょう。

参考サイト

・有料放送“タダ見”許さない!新カード配布へ - 政治・社会 – ZAKZAK
・朝日新聞デジタル:新B―CASカード配布を検討 有料放送の不正利用問題 - 経済

<B-CASカード不正書き換え、既に逮捕者3人>1人はネット販売、一人はHPで改造方法公開、1人は改変後のプログラムをファイル共有ソフトで提供… | Hashigozakura

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