AMDの「APU新製品」に関するブロガー勉強会に行ってきました(2)
結構時間が経ってますが、AMDの「APU新製品」に関する勉強会の内容と感想についての続きです。
前回記事: AMDの「APU新製品」に関するブロガー勉強会に行ってきました(1)
あと、AMDが何か面白い事をしようとしている気がしたので、その件にも触れます。
一部ではもうそれっぽい情報が出てる気がしなくもなかったり、10月2日に何か出るみたいな話もあるようですが、そこは分からないままに進めていきます。
※この記事は、10月3日以降一部を更新する可能性があります。
AMDの大局的な狙いを想像すると面白いかも
実は勉強会のあと、AMDさんの大局的な戦略とか狙いがドコにあるのかがなかなか見えてこず、この状態だとちょっと記事が書けないなぁ。と感じてた部分があったんですね。
でも、実際に届いた新APUとマザーを動かし、さらに色々なものを見ると、AMD が面白い方向に動こうとしている。という確信めいたモノを感じるようになりまして、で、やっと筆を取る気になったというわけです。
この辺は個別の話だけではピンと来づらい所ですが、デスクトップ PC の世界を離れて俯瞰するとなーんか野心のようなモノがチラホラと(笑)
もちろん、この世代のAPUがデスクトップ向けに提供するバリューってのも作りこまれてはいるんですが、それより一段上に、さらなる大きい流れがあるんだ。という事を想像しながら読んでいただくと面白いかもしれません。
Open CL ってのがもう結構使われてる。という話
さて、勉強会の話の続きです。
GPU(グラフィック) 内蔵 CPU が普及したんだから、GPU の力で高速化しようよー。って発想でだいたい合ってると思われる GPGPU のお話も面白かったです。
GPGPU が広まるにはハードウェアの差異を埋める規格が重要なんだけど、そのためのオープン規格として「Open CL」ってのが結構使われてるんだよー。という内容でした。
Open CL って何?
「Open CL」ってのは、GPUだけじゃなく、マルチコアCPU・スマートフォン・タブレット・サーバーなど、異種混在環境での並列コンピューティングを実現するクロスプラットフォームなフレームワーク。
Khronos が策定管理しているオープンな規格で、Open GL みたくロイヤリティフリーなんだそうです。
今は PC 以外にもいろんなデバイスが溢れているので、同一コードベースで異なる実行環境をカバーできるオープンな規格が求められている。という事なのかもしれません。
オープンというだけあって対応ハードベンダも多く、AMD 以外にも Intel、Nvidia、Apple、ARM、Imagination Technologies など、メジャーどころがゴロゴロ…。
対応ソフトウェアベンダさんも、Adobe、SEGA、SONY、Microsoft さん…と、かなり有名どころが並んでました。
また、MAIN CONCEPT という GPU エンコーダのメーカーさんもサポートしている、という話や、実は超有名画像処理ソフトの GIMP も対応してるんだとか。
まぁ、GIMP が採用したっていうなら「オープン」ってのもウソじゃないんでしょう(笑)。
僕はこっち系詳しくなくて CUDA くらいしか知らなかったんですが、今は世界的に見ても Open CL の方が使われているそうです。
GPGPU で高速化できるアプリは多岐に渡るらしい
GPGPU って大仰な計算とかエンコードみたいな重い作業がメインかと思ってたんですが、先の GIMP や WinZIP、WEB ブラウザなど、割とよく使うアプリにも適用できるそうです。
で、AMD では「AMD App アクセラレーション」という名前でこの機能というか高速化をアピールしているようです。
アプリダウンロードサイト「AMD AppZone」には、PCアプリだけじゃなくAndroidアプリまでも…
そういえば勉強会で、「AMD App アクセラレーション」対応アプリを探せるサイトを公開するよー。と言っていたので改めて見てみたら、PC 向けアプリだけじゃなくて Android アプリまで混ざってる…
何かと思ったら、BlueStacks Android app player 向けのアプリも入ってるんですね。
何を言っているのか分からないと思うんだけど、平たく言えば、PC / Mac で Android アプリを動かせる。って事。
AMD AppZone(日本語サイトも公開予定。との事)
BlueStacks(後述)からも Android アプリはダウンロードできるんだけど、AppZone ではPC向けとストアを統合…という大胆な形。何をやろうとしてるんだ…まさか…。
そういえば AMD Fusion Fund が BlueStacks に出資してる。って勉強会でチラッと言ってたもんな…。
AndroidアプリがPC/Macで動くBlueStacks
「BlueStacks」ってのは、Windows/Mac で Android アプリを動かせるアプリプレーヤー。
今はまだベータ版だけど、Android SDK のエミュレーターの重さを知ってる身からすると、これが本当に軽い。驚くレベル。
こいつについては深くは掘りませんが、スクショだけ。
どっかで見たゲームが…
ホーム画面
どっかで見た Twitter クライアントをインストール。割と普通に動く…。
画面にタッチしたくなる衝動が抑えられません。
あれ?アレレレ?これって…
そーいえばそろそろ Windows 8 も出るわけですが、タッチ対応のノートPCとかタブレットで、Android アプリが全画面でスムースに動いたら、色々面白くなると思いません?(笑)
で、BlueStacks が AMD の APU 向けに最適化されてるおかげで、安価な Windows 8 タブレットなのに割とスムーズに動いたりとかしたら…ほら、AMD は BlueStacks に出資してるし…。
Intel 機でも動きますけどね。でもタッチテバイスは細かい操作感でかなり印象変わるし、あと、AMDのプロセッサってお値打ちだから、同じ価格で勝負したときに…みたいな路線を狙ってたら…。的な。
ぜーんぶ気のせいかもしんないですけどね。
笑いどころの多い勉強会でした
さて、そんな妄想もほどほどに、勉強会の感想の続きですが…
ほんと、プロセッサの話で笑いどころなんてあるものか、と思うんですけど、なかなかどうしてこれが笑いの絶えない勉強会でして。
説明の方もサービス精神旺盛で、資料の数字の消し忘れ(笑)に始まり、K10Stat で CPU のあやこやをいじろうとしたら新APUに対応してなかったから AMD の極秘ツール登場 → ブルースクリーン出現!みたいな、おもしろシーンに、会場がドッと沸く場面も結構あったり。
いちおう、手元に届いた新APU + MB では、今のところブルースクリーンは一度も見てないし、説明の方も「製品版ではこういう事はないんですけど」という事だったんで、そこはそれ(笑)。
あとは質問する側もなかなかのもので「コアのアンロックはできるの?」とかのドキッとするような内容も飛び出したり。
ハード寄りの内容ほどウケがよかった気はしますが、全体的に何かと笑いが多い勉強会だったと思います。
AMDは「GPUを握ってる強み」を活かしたいっぽい
全体を通して見て、AMD は「GPU を開発できる強み」を活かすためにいろんな戦略を練っているなぁ。と感じました。
巷では内蔵 GPU で誤魔化している。なんて陰口も叩かれますが、用途によっては内蔵グラフィック性能が上がればトータルコストをかなり抑えられるケースもある。と、僕は思っているので、そういう層に今回の新APUの存在が伝わると面白そうだなぁ。とは思います。
また、CPU内蔵GPUと外付けビデオカードのGPUを同時に動かしてパフォーマンスアップを狙う「AMD Dual Graphics」も、内蔵GPUが強化されたことにより、今までより使われるようになるかもしれません。
僕は静音性重視のため、ビデオカードはファンレス。というちょっと変わった人なんですが、CPU内蔵GPUが高速化するとディスクリートGPUをどうしようか。という感じにはなってくるんですね。
でも、たまに軽くゲームをやるときには多少のパフォーマンスも欲しいわけで、そう考えると静音性・コストパフォーマンス・性能のバランスから新APU + ファンレス外部ビデオカードなんて組み合わせはできないかものか。と妄想してしまうわけです。
根っからの Intel 派の僕にとっては久しぶりの AMD プラットフォームなんですが、このまま安定性に問題がなければ、これはなかなか無視できない存在になるかもしれないなぁ。と純粋に思うわけです。
機密保持の範囲がちょっともったいなかったかなぁ
今回の勉強会では、機密保持の範囲指定がちょっと分かりにくかったかなー。と思いました。
例えば、勉強会に当選した事実とかをダダ漏れにしたかった人もいそうな気がするんですが、そのあたりに機密保持の壁を感じた事もあって、事前にブロガー同士の横のつながりが作れなかった感があったり。
この世界は広いようで狭いので、当選者同士の横のつながりが気兼ねなくできるような一文があれば、ネットへの露出も変わったんじゃないかなー。と思ったり。
ちなみに見出し画像は日本AMDさんの玄関なんですが、ダイシング前のシリコンウェハーがあったの気が付きました?
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